甲状腺ホルモンは、増えすぎても減りすぎても体に影響が出てしまいます。
特に女性は、更年期の症状と似ていることがありなかなか気付けないこともあるそうです。
◆目次◆
1.甲状腺とは
2.甲状腺ホルモン
3.甲状腺ホルモンの乱れによって引き起こされる病気と症状
4.甲状腺腫瘍
5.まとめ
1.甲状腺とは
「甲状腺」は重さ10~20g、大きさは4~5cmほどの小さな臓器です。
蝶々のような形で首の真ん中、のど仏(甲状軟骨)のすぐ下にあり、気管を前から取り囲むように位置しています。甲状腺の裏側には、声帯を動かす反回神経があります。
2.甲状腺ホルモン
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは全身の代謝を亢進させる働きをしています。甲状腺ホルモンは、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHレセプター)に結合すると、それがスイッチとなって分泌が促進されるしくみになっています。
=働き=
脈拍数や体温、自律神経の働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保っています。こどもの成長や発達、大人の脳の働きを維持するためにも欠かせません。
3.甲状腺ホルモンの乱れによって引き起こされる病気と症状
通常、甲状腺ホルモンは、多すぎたり少なすぎたりしないようバランスが保たれています。甲状腺の働きに異常があると様々な症状が起こります。
甲状腺の病気は、男性よりも女性に多くあらわれるという特徴があり、自己免疫疾患としてバセドウ病や橋本病があります。自己免疫疾患とは、免疫系が自分の細胞を異物だと認識して攻撃してしまうことっで症状が引き起こされる病気です。
また、このような甲状腺の病気は、月経周期の異常や不妊・流産の原因になることもあります。
☆甲状腺ホルモンが不足すると・・・
甲状腺ホルモンの分泌量が減り、新陳代謝が低下する病気を【甲状腺機能低下症】といいます。代表的な病気として、甲状腺を障害する自己抗体ができることで甲状腺ホルモンの分泌が減る「橋本病」があります。(橋本病と診断された方の全てが甲状腺機能低下症となるわけではありません。)
=主な症状=
・元気が出ない、無気力
・寒がり
・むくみ
・体重が増える
・眠気
・物忘れ
・息切れ、脈がゆっくり
・筋力の低下
・動作が遅くなる
・無排卵、無月経
・乾燥してカサカサ
・声がかれて低音になる
・便秘
・甲状腺(首・喉元あたり)が腫れたり太くなる
・まぶたの腫れ
・髪が薄くなる
☆甲状腺ホルモンが過剰になると・・・
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が過剰になる病気を【甲状腺機能亢進症】といいます。代表的な病気として、甲状腺を刺激する自己抗体(自分の体に対する抗体)ができることで甲状腺ホルモンが過剰につくられる「バセドウ病」があります。
=主な症状=
・疲れやすい
・汗をかきやすい
・暑がり
・食べても太らないまたは痩せる
・イライラ感、集中力低下
・息切れ、動悸
・筋力の低下
・手や指が震える
・希発月経(月経の回数が少なくなること)、無月経
・軟便
・甲状腺(首・喉元あたり)が腫れたり太くなる
・目が飛び出して見える
4.甲状腺腫瘍
甲状腺腫瘍には良性と悪性があります。
基本的に症状がないことが特徴で、腫瘍が大きくなるとしこりを見つけたり、首に違和感を感じたり、太くなったように感じる人もいます。しかし、ほとんどの場合良性で、悪性のものであっても進行が遅く命に関わることは稀だそうです。
=甲状腺悪性腫瘍(甲状腺がん)=
症状が進むと、のどの違和感・声のかすれ・痛み・飲み込みにくさ・誤嚥・血痰・呼吸困難感などの症状が出てくることがあります。
甲状腺がんにはいくつか種類があります。
・乳頭がん
甲状腺がんの中で最も多く、約90%を占めます。リンパ液の流れに乗って転移するリンパ節転移が多いそうですが、基本的にゆっくり進行するため、急に命に関わる状況になることは稀です。また、ごく一部の乳頭がんは再発を繰り返したり、悪性度の高いがんに変化することがごく稀にあるそうです。
・濾胞がん
甲状腺がんの中で2番目に多い(約5%)がんです。良性の甲状腺腫瘍との区別が難しいことがあります。乳頭がんに比べてリンパ節への転移は少なく、予後は比較的良いとされています。
・低分化がん
甲状腺がんの中で1%未満と稀です。乳頭がん・濾胞がんに比べると転移や再発しやすい性質があるそうです。
・髄様がん
甲状腺がんの約1~2%で、乳頭がんや濾胞がんと比べて悪性度が高く、リンパ節や肺、肝臓へ移転しやすいという特徴がみられます。
・未分化がん
甲状腺がんの中の約1~2%の割合で、悪性度が高く進行が速いことから、甲状腺周囲の臓器(反回神経、気管、食堂など)への浸潤や全身の臓器への転移を起こしやすいという特徴があります。
5.まとめ
甲状腺のチェックは自分でも簡単に行えます。
①鏡の前にたち、首の前面を観察
②のど仏のすぐ下、甲状腺が位置するあたりに腫れやしこりがあるかないか確認
③軽く触れてみて、痛みや違和感があるかないか確認
④水を飲み、その際に甲状腺の動きを観察。しこりや異常な動きがあるかないか確認
少しでも変に思ったら、まずはかかりつけ医などに相談しましょう。また、甲状腺の病気は女性に多く見られ、遺伝しやすいことも報告されているため、血縁で甲状腺の病気を持っている方がいる場合は、症状がなくても一度専門医の診察を受けることが良いそうです。
※参考サイト 国立がん研究センター がん情報サービス
