ビタミンCの実力を見直そう!

数あるビタミン成分の中でも身近にあるビタミンC。
ビタミンCの実力にもう一度、焦点をあててみました。

◆目次◆

1. ビタミンC

2. 主な働き

3.摂取量と含有食品

4.不足と摂り過ぎ

5.まとめ

1.ビタミンC

水溶性ビタミンの1種であるビタミンC(化学名L-アスコルビン酸)は、壊血病(※)を予防する成分としてオレンジ果汁から発見されました。野菜や果物に豊富に含まれています。
※壊血病とは、ビタミンC不足のため、コラーゲンが合成されず、血管がもろくなり、出血性の障害が体内の各器官で生じる病気です。

2.主な働き

◆コラーゲンの合成促進
体を構成する重要なたんぱく質であるコラーゲンの生成に働きます。コラーゲンは、全たんぱく質の30%を占め、丈夫な血管や筋肉、皮膚などの結合組織を作っています。ビタミンCは、コラーゲンの3重螺旋構造を保つために必要な成分で、ビタミンCを欠いた食事を続けていると正常なコラーゲンが合成できなくなります。

◆LDLの酸化防止
酸化を防ぎ、老化や動脈硬化を予防します。特にビタミンEとともに働くことで相乗効果があるとされ、LDL(悪玉)コレステロールの酸化をおさえて心臓血管系の疾患を予防します。

◆ホルモンの合成促進
副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンが作られるとき、ビタミンCが大量に消費されます。副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、皮質と髄質に分かれ、それぞれ異なるホルモンを分泌しています。種々のホルモン分泌によって、血圧や血糖値を上昇させ、ストレスに対する対抗力を高めます。

◆鉄の吸収促進
ビタミンCを充分に摂ると食事からの鉄の吸収率を数倍に高めることができます。吸収されにくい野菜の鉄もビタミンCによって吸収しやすい形に変化させることで合成を促す作用があります。

◆美白効果
紫外線の刺激を受けると、チロシンというアミノ酸がチロシナーゼという酵素の働きを受けてメラニンという黒い色素になります。ビタミンCはチロシナーゼの働きを阻害して、しみ・そばかすの原因のひとつであるメラニンの沈着を防ぐとされています。

◆抗がん作用
ビタミンCは消化器系のがんの原因の一つとされているニトロソアミンの生成を抑える働きがあります。ニトロソアミンはたんぱく質が消化される際に生じるアミンと、野菜などに含まれる亜硝酸が反応してできますが、ビタミンCはアミンよりも早く亜硝酸と反応することでニトロソアミンの生成を防ぐので、がん予防に働くと考えられています。

◆免疫力アップ
ビタミンCは解毒酵素の代謝にかかわっていて、発がん物質を体外に排泄するのに働いたり、インターフェロンという物質の生成促進に働いたりしています。インターフェロンは抗ウイルスたんぱく質を生成して、ウイルスの活動を抑制するなど免疫を高める作用があります。

3.摂取量と含有食品

ヒトやサル、ウシなどの動物はアスコルビン酸を体内で合成できないため、必要量をすべて食事やサプリメントから摂取する必要があります。
ビタミンCの1日の摂取基準量は、成人では100mg(2015年版食事摂取基準)と設定されています。また、欠乏症である壊血病は1日10mg程度摂取していれば発症はしませんが、抗酸化や心臓血管系の疾病予防が期待できる摂取量が推定平均必要量とされました。

ビタミンCは水に溶けやすいうえ、熱や光に弱く、酸化しやすいため、保存中や調理中に失われやすい成分です。また、一度にたくさん摂取しても体内には蓄積されず、体外に排出されてしまいます。効果を持続させるには、毎食、補給するのが好ましいです。

ビタミンCを多く含む主な食品(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より引用)

野菜類 100g中   野菜類 100g中
赤ピーマン  170 ㎎   かぶの葉 82 ㎎
芽キャベツ 160 ㎎   カリフラワー 81 ㎎
黄ピーマン 150 ㎎   にがうり 76 ㎎
菜の花 130 ㎎   ルッコラ  66 ㎎
ブロッコリー 120 ㎎      
芋類 100g中   芋類 100g中
じゃがいも  35 ㎎   さつまいも 29 ㎎
果物類 100g中   果物類 100g中
ゆず 150 ㎎    いちご 62 ㎎
キウイフルーツ(黄) 140 ㎎   ネーブルオレンジ 60 ㎎
レモン 100 ㎎   グレープフルーツ 36 ㎎
甘柿 70 ㎎      
肉類 100g中   肉類 100g中
ハム(ロース) 50 ㎎   牛レバー 30 ㎎
ベーコン 35 ㎎   豚・鶏レバー 20 ㎎
海藻類 100g中   飲み物 100g中
焼きのり 210 ㎎   アセロラジュース(10%果汁) 120 ㎎
味付けのり 200 ㎎   抹茶(粉) 60 ㎎
あおのり(乾) 40 ㎎   グレープフルーツジュース(濃縮還元) 53 ㎎
わかめ(乾) 27 ㎎   日本茶(玉露) 19 ㎎
とろろこんぶ 19 ㎎      

4.不足と摂り過ぎ

◆不足
ビタミンCが不足すると、皮下や歯茎から出血する壊血病になります。コラーゲンが充分に生成されないと、毛細血管の結合組織が弱くなり、出血が止まらなくなるからです。
また、細菌などに対する抵抗力が下がり風邪などにかかりやすくなったり、子どもの場合は骨の成長が悪くなることがあります。

◆摂り過ぎ
日常の食生活の中で摂り過ぎることはまずありません。サプリメントなどで1日3~4g以上摂取すると、吐き気や下痢、腹痛などを起こすことがありますが、一過性のもので特に問題はないそうです。

5.まとめ

ビタミンCにはこんなデータがあります。
「タバコを吸う人は、吸わない人に比べてビタミンCを代謝する量が1日あたり約35mg多い。また、受動喫煙してしまう人も、血液中のビタミンC濃度が低下する。」

喫煙者や受動喫煙してしまう人は、多めにビタミンCを摂取することを心掛けましょう。

<主要参考文献>
食品成分最新ガイド 栄養素の通になる第4版(女子栄養大学教授 上西一弘)
佐々木敏のデータ栄養学のすすめ (東京大学大学院教授 佐々木敏)
からだにおいしい あたらしい栄養学(吉田企世子・松田早苗監修 高橋書店)