ファットアダプトという食事法があって緩やかな糖質制限とタンパク質・脂質・食物繊維をメインに摂る食事法だそうです。
ファット(脂肪)にアダプト(適応、順応)するとどうなるのでしょうか。
◆目次◆
1.ファットアダプトとは
2.ファットアダプトの基本ルール
3.ファットアダプトのメリット
4.まとめ
1.ファットアダプトとは
ファットアダプトとは主に運動選手が取り入れている食事法で、普段から糖質を控えることにより脂質をエネルギーとして使えるような体をつくる食事法をいいます。
対極にカーボローディングという食事法があり、マラソンランナーが試合前に大量の糖質を摂取して筋肉内のグリコーゲン量を上げ持久力の最大化をねらうものですが、最近の研究ではカーボローディングと筋肉内のグリコーゲン量は無関係という結果がでています。
とするとカーボローディングでは大量の糖質摂取だけが起こっていることになり血糖値の上昇など体への様々な影響が懸念されます。
2.ファットアダプトの基本ルール
ファットアダプトを起こす3つの基本ルールと4つのサブルールです。
<3つの基本ルール>
(1)糖質の摂取量をコントロールする
ファットアダプトは「血糖値の乱高下を抑え脂質も糖質も過不足なく使える状態」であり、これを起こすには脂質を上手に使うため糖質を取り過ぎない、つまり緩やかな糖質制限が必要です。
糖質の摂取量を減らすと脳や赤血球など糖質以外をエネルギーとして使えない器官に優先的に糖質がまわり筋肉など他の器官で脂質が燃えやすくなります。
適切な糖質量は個人差があり厳密には食後血糖値が140mgを超えない量とされています。
先ずは普段どれだけの糖質を摂取しているか把握して(糖質摂取量がとても多いはず!)少しずつ減らしてみましょう。
但し、過度な糖質制限はファットアダプトの定義から外れますので避けるべきです。
(2)良質な油脂を選ぶ
油脂は糖質の次に様々な食品に含まれているので不足することはないと思いますが種類が豊富なため選ぶことが大変です。
一般に魚介類に豊富なオメガ3脂肪酸やオリーブオイルに豊富なオメガ9脂肪酸が良いとされていますが、マーガリンやショートニングなど加工油脂に含まれるトランス脂肪酸と酸化したもの(古い油)だけを避ければよいでしょう。
(3)タンパク質を十分に確保する
タンパク質も様々な食品に含まれていますが、種類が豊富な上に糖質や脂質と比較するとその含まれる量が少ないため最も意識して摂る必要がある栄養素です。
以下の5大タンパク源から好き嫌いなく食べることが良いようです。
・肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
・魚介類(青魚、マグロ、カツオ、鮭、貝類、エビ、カニなど)
・卵(鶏卵)
・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
・大豆食品(茹で大豆、豆腐、納豆、豆乳、味噌など)
<4つのサブルール>
(1)カロリーを一切気にしない
(2)食物繊維をしっかりとる
(3)食べるタイミングと順番に気を遣う(カーボラスト)
1日3食しっかり食べて、肉、魚、野菜にかかわらず糖質を必ず最後に食べる(カーボラスト)を心がけると血糖値の上昇を抑制することができます。
(4)美味しく楽しみながら食べる
3.ファットアダプトのメリット
・筋肉の質が変わり故障が減る
体をつくるのは基本的にタンパク質ですが細胞膜はタンパク質と脂質でできていてファットアダプトで良質な脂質を摂ることで細胞膜の機能が高まり筋肉の弾力性や柔軟性が向上するそうです。
筋肉の柔軟性が向上するとジョギング中の肉離れなど筋肉系の故障を起こしにくくなります。
その他、病気から早期復帰できる、精神的に落ち着けるなどのメリットもあるそうですが、美容健康の観点でいうと以下のメリットがあります。
・肌の状態が良くなる
ファットアダプトが効いてくるとAGEsが発生しにくくなり肌の状態が良くなります。
AGEs(蛋白糖化最終生成物)とは、過剰にとりすぎた糖質がタンパク質と結びついて(これを糖化といいます)変性・劣化して生成される物質で分解されにくく体内に蓄積されることにより様々な影響を引き起こします。
・ダイエット効果がある
タンパク質と脂質をしっかり摂ることで満腹中枢が刺激され過食に走ることが減り、また、血糖値の乱高下が抑制されることでダイエット効果があります。
血糖値が急上昇するとインシュリンが大量に分泌されます。
インシュリンは血糖値を下げるため血糖を筋肉などに取り込ませ、それでも余った血糖を体脂肪として取り込むと同時に体脂肪の分解にブレーキをかけます。
全ては血糖値を下げるための大切な働きですが結果は明らかです。
4.まとめ
ファットアダプトは糖質疲労を回避するための食事法ととても親和性が高いです(ほぼ一緒です)。
過度な糖質制限には懐疑的ですがファットアダプトは緩やかでも取り組んでみようと思います。
<参考資料>
長友佑都のファットアダプト食事法 長友佑都(監修 山田悟) 幻冬舎 2019年
糖質疲労 山田悟 サンマーク出版 2024年
<関連コラム>
糖質疲労を回避するために
糖質疲労って何?
糖化による身体への影響
トランス型脂肪酸
