
老廃物を流すリンパマッサージ、エステなどでよく聞く言葉です。
“リンパ”とはどういうものなのでしょうか。
◆目次◆
1.リンパ系
2.リンパ管とリンパ液
3.リンパ節とリンパ球
4.リンパ系の病気
5.まとめ
1.リンパ系
免疫機能を担うリンパ球などの集まりをリンパ組織といいます。リンパ組織は、リンパ節、胸腺、脾臓、パイエル板、扁桃などにあります。これら器官やリンパ管、骨髄などをリンパ器官といい、さらにこれらの器官はまとめてリンパ系といいます。
2.リンパ管とリンパ液
人体には、血管のほかにリンパ管という細い透明な管が全身に張り巡らされています。リンパ管の中には、リンパ液という透明の液体が流れています。
リンパ液は、毛細血管からしみ出した血漿がリンパ管に入り込んだもので、死んだ細胞や血球などの老廃物や消化管で吸収された脂質を運ぶ役割を担っています。このうち、老廃物はリンパ節で除去され、脂質は門脈から肝臓に運ばれて処理されます。また、リンパ液に含まれる細胞成分は、白血球の一種のリンパ球が大半を占めていて、細菌やウイルスから体を守る免疫機能を担っています。
3.リンパ節とリンパ球
◇リンパ節
リンパ節は、リンパ管が合流する部分にある豆みたいにふくらんだ器官です。全身に約800個あり、大きさは1~20㎜と場所によってまちまちです。
リンパ節は免疫の細胞たちが働く二次リンパ器官で、主に耳の下から首、脇の下、肘、膝、足のつけ根、左右の肺の内側や腹部、骨盤内などに集中しています。
細菌やウイルスが侵入すると、リンパ節内のリンパ球やマクロファージが攻撃をはじめ、感染から体を守ります。このときに、首のリンパ節などが炎症を起こして腫れることがあります。リンパ節が腫れる部位は病気によって異なり、中耳炎や内耳炎なら耳の周辺、胃ガンや肺ガンの転移なら鎖骨の上、虫歯や喉の病気なら顎の下のリンパ節が腫れます。
◇リンパ球
獲得免疫による特異的生体防御の中心的な役割を担うリンパ球は、白血球全体の20~40%を占めます。リンパ球は、たいてい全身のリンパ節や脾臓などのリンパ組織にいて、ときどき血流やリンパの流れに乗って全身を回り、巡回したあと元いた臓器に戻っていきます。この現象を、リンパ球のホーミングといいます。
=リンパ球の種類と特徴=
◆T細胞(Tリンパ球)
リンパ球のうち胸腺での選抜を受けて血液中に出てくる細胞。
免疫の司令塔となるヘルパーT細胞、感染した細胞を壊す細胞障害性T細胞、免疫の機能を終了させる制御性T細胞といった種類があります。
◆B細胞(Bリンパ球)
ヘルパーT細胞の指示を受けて抗体をつくり、放出します。一部のB細胞は外敵の情報を記憶して生き残り、2回目以降の攻撃に備えます。
◆NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
自らの判断で、ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを破壊します。
≪NKT細胞という特別な細胞の発見≫
NK細胞とT細胞の両方の能力を持つNKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)。T細胞の仲間で、食細胞が外敵と認識しにくい細胞を感知することができ、また食細胞から抗原侵入の報告を受けると、細胞性免疫と体液性免疫の両方を刺激する力を持っていると考えられています。数はT細胞の0.1%ほどといわれています。
4.リンパ系の病気
◇悪性リンパ腫
リンパ節や脾臓などのリンパ系の細胞が悪性化し、無制限に増殖する病気です。ウイルス感染や免疫不全、遺伝子の異常などが関わっているといわれます。
◇リンパ浮腫
主に片腕や片足にむくみが出る病気です。ガンの治療でリンパ節を切除すると、タンパク質や水分の回収がうまくいかなくなり、皮下組織にたまって浮腫となります。
◆免疫不全
免疫の働きに問題が起こり、生体防御機能が低下して感染しやすくなった状態のことを免疫不全症候群と言います。免疫不全は、生まれつき免疫に問題があり発症する「原発性免疫不全症候群」と、ウイルス感染やガン、自己免疫疾患などに加齢やストレスなどの要因も重なり引き起こされる「続発性免疫不全症候群」に分けられます。
いずれの場合も病態は1つではなく、食細胞に問題があるもの、T細胞に問題があるもの、B細胞や抗体に問題があるものなど、さまざまなタイプがあり、それによって感染しやすくなる病原体の種類(細菌・ウイルスなど)が異なります。
=後天性免疫不全症候群(AIDS/エイズ)=
続発性免疫不全症候群のうち、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって免疫不全に陥る病気です。HIVは、感染者との性行為、注射器などの共用、医療従事者の針刺し事故など、出産時の産道での感染や母乳による感染といった母子感染によってうつります。HIVは、CD4(たんぱく質)を持つT細胞に入り込んで増殖し、T細胞を破壊する性質を持っています。
5.まとめ
リンパは体を守ってくれる大切なものでした。
リンパマッサージ、久々に行ってこようかな・・・
<参考文献>
免疫学の基本 国立成育医療研究センター 松本健治(監修)
