
◆目次◆
1.ミネラルとは
2.主なミネラル
| ①ナトリウム | ②カリウム | ③カルシウム |
| ④マグネシウム | ⑤リン | ⑥塩素 |
| ⑦イオウ | ⑧鉄 | ⑨亜鉛 |
| ⑩銅 | ⑪マンガン | ⑫ヨウ素 |
| ⑬セレン | ⑭クロム | ⑮モリブデン |
| ⑯コバルト | ⑯フッ素 | ⑰バナジウム |
| ⑱ケイ素 | ⑲ニッケル |
1.ミネラルとは
ミネラルとは、人体を構成する元素、有機物に含まれる4元素(酸素(O)・炭素(C)・水素(H)・窒素(N)全体の95%)以外の必須元素です。単一の元素からなり、無機質ともいいます。
ミネラルは、体の構成成分になったり、酵素や補酵素の成分になるなど、体の働きを調整・維持したりする機能があります。体内では合成できないため、食事からとる必要があります。また、摂取量の幅が狭く、過剰症や欠乏症を起こしやすいものもあるそうで、日本では13種類(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が、健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として定められています。
※日本人の場合、カルシウムや亜鉛は不足しやすく、ナトリウムやリンはとりすぎる傾向があるそうです。
〇 多量ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン(塩素、イオウ))
歯や骨などの構成成分になったり、体の細胞の内外に存在していたりと、体内に比較的多く存在する主要なミネラル。
〇 微量ミネラル(鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン(コバルト))
体内にはごくわずかしか存在しませんが、エネルギーの産生や新陳代謝促進など、体内で行われるさまざまな化学反応に不可欠な栄養素です。〇 超微量ミネラル(フッ素、バナジウム、ケイ素、ニッケル)
体内にごくわずかに存在し、機能維持や向上に役立つものがあることがわかってきました。多くは酵素やたんぱく質を構成する成分として利用されています。こうしたミネラルは大量にとると、中毒症を起こすこともあるため、摂取には十分な注意が必要だそうです。
2.主なミネラル
①ナトリウム(Na、原子番号11)
トリウムは、カリウムとともに体内の水分量を調節したり、神経や筋肉を正常に動かすために働いたりしています。
ほとんどのナトリウムは塩素と結合し食塩として摂取されています。また、しょうゆや味噌などの調味料、調味料を使用して作る保存食や加工食品にも多く含まれています。しかし、自然の食品そのものには、それほど多くは含まれていないそうです。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では18歳以上の男女共通1日推定平均必要量が2g程度となっていますが、通常の食生活を考えると、現実的な数値ではないため、生活習慣病の一次予防の目標として、18以上男性は1日8g未満、女性1日7g未満となっているそうです。
通常の食生活では摂り過ぎる傾向があるため、塩分の多い調味料や加工食品などを控えめにしたり、カリウムを多く含む野菜や果物を一緒に摂ることを意識すると良いでしょう。 カリウムには、過剰なナトリウムの排泄を促す作用があります。
★体内での働き・・・細胞の浸透圧の維持・体液量の調整・体液のpHの調整・筋肉の弛緩作用
★欠乏症・・・大量の汗をかいたり、嘔吐・下痢をしている場合、不足することもあります。血圧が低下し倦怠感や疲労感を起こします。筋力の低下や痙攣、食欲減退を起こすことがあります。
★過剰症・・・むくみや腎機能障害、胃がんのリスクが高まる。長く続くと高血圧症を起こし、動脈硬化などの血管疾患にかかりやすくなります。
★多く含む主な食品・・・調味料(食塩・固形コンソメ・しょうゆなど)、肉・魚介加工品、麺、パン、保存食など
②カリウム(K、原子番号19)
カリウムは、ナトリウムとともに、体内の水分量を調節しています。また、心臓機能や筋肉の調整などの働きをしています。
カリウムは、ナトリウムが過剰になると排泄を促進する作用があるため、日本人の食生活にはカリウムの摂取が重視されています。カリウムは多くの食品に含まれ、通常の食事で不足する心配はほとんどありませんが、茹でるなどの調理過程で栄養が流されており、思っているほど摂れていないそうです。根菜や豆類、芋類は調理の影響があまりなく、果物は生で食べられるので、効率よくカリウムを摂取できます。
★体内での働き・・・細胞の浸透圧の維持・体液のpHを調整・血圧上昇の抑制・筋肉の収縮、弛緩
★欠乏症・・・欠乏することはほとんどありませんが、不足すると血圧が高くなりやすくなります。また、筋肉にエネルギーが補給されず、筋力の低下や不整脈が起こりやすくなります。
★過剰症・・・摂り過ぎても排泄されますが、腎機能が低下して排泄がうまくいかないと、胃腸障害や不整脈などの高カリウム血症になることがあります。
★多く含む主な食品・・・野菜類、芋、果物類、大豆、大豆製品、海藻類
③カルシウム(Ca、原子番号20)
骨や歯の主成分、ヒドロキシアパタイトの形で存在。カルシウムは、人体にもっとも多く存在するミネラルで、体重の1~2%(体重50kgの成人で約1kg)含まれています。そのうち、99%がリンやマグネシウムなどとともに骨格や歯を形成し、残り1%は血液や細胞などに存在しています。
体の機能の調節にかかわり、神経伝達や筋肉の収縮を正常に保つ働きなどがあるそうです。
骨は約3カ月のサイクルで、カルシウムの吸収と形成を繰り返しています。カルシウムを貯める機能もあるそうです。
血液中のカルシウムの濃度は一定に保たれており、血液中のカルシウムの濃度が下がると骨から溶出し、血液中のカルシウムの濃度が高くなると骨に沈着します。
カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつで、摂取する食品や喫煙などの生活習慣によって、吸収率が左右されます。
体内でもっとも吸収されやすい食品は、牛乳で約40%です。他にも、カルシウムが多く含む小魚(イワシなど)は約30%、野菜(モロヘイヤ・小松菜など)も約20%と、バランスよく食事をすることで、効率よくカルシウムを吸収できます。
また、ビタミンDは、カルシウムの吸収に必要なたんぱく質の合成を盛んにすることで、カルシウムの吸収や血液中のカルシウム濃度を高めたりする働きがあるため、同時に摂取すると、大変効果的といわれています。
★体内での働き・・・骨格や歯の形成・体内の情報伝達・筋肉の収縮・弛緩の調整・ホルモンや酵素を活性化
★欠乏症・・・骨量が減り、骨軟化症や骨粗鬆症を起こし、子どもの場合は骨や歯の形成不全になります。慢性的に不足すると、血液中にカルシウムが過剰に溶け出します。
★過剰症・・・通常摂り過ぎることはありませんが、サプリメントなどで摂り過ぎると、高カルシウム血症を起こし、腎臓や血管に障害が出るそうです。また、尿路結石を起こすこともあります。
★多く含む主な食品・・・乳製品、魚介類、大豆製品など
④マグネシウム(Mg 原子番号12)
マグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です。カルシウムとバランスを取りながら、ともに働いて筋肉の働きを調整しています。心臓が正常に動くのもこの働きによるそうです。
マグネシウムは50~60%が骨に存在しています。不足すると骨から取り出され、神経やエネルギー、血圧などの重要な働きに利用されます。また、マグネシウムが長期にわたって不足してくると、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病などリスクが高まる原因のひとつとして考えられているそうです。
★体内での働き・・・酵素反応を促進・筋肉を収縮・神経を鎮静・骨格を形成
★欠乏症・・・通常は見られませんが、現在の日本人は摂取量が少なくなっています。不足すると、骨粗鬆症や心疾患などのリスクが高ります。神経の異常が起こることもあります。
★過剰症・・・通常は摂り過ぎることはありませんが、サプリメントなどで摂り過ぎると、筋力や血圧の低下、下痢、吐き気を起こすことがあるそうです。
★多く含む主な食品・・・種実類、穀類、海藻類、魚介類など
⑤リン(P 原子番号15)
リンは、カルシウムの次に多く含まれるミネラルです。体内のリンは約85%が、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムとして骨や歯の構成成分になります。残りは、たんぱく質や脂質などと結合して、細胞膜の構成成分や遺伝情報を伝えるうえで重要なDNAなどの核酸の成分に使われています。
また、体内でのエネルギー貯蔵物質である高エネルギーリン酸化合物(アデノシン三リン酸:ATP)の構成成分で、エネルギー代謝に必須の成分となります。
★体内での働き・・・骨格を形成・細胞の成長・分化・神経の機能保全・エネルギー代謝
★欠乏症・・・通常は見られませんが、サプリメントなどで摂り過ぎると、神経症状が出ることがあります。また、骨軟化症が起こることもあります。
★過剰症・・・通常は見られませんが、加工食品の摂取が多い場合は注意が必要です。甲状腺機能の亢進。骨密度が低下するおそれがあります。
★多く含む主な食品・・・穀類、肉・肉加工品、魚・魚加工品
⑥塩素(Cl 原子番号17)
塩素はナトリウムと結合して食塩になります。通常体内へは、食塩として摂取されており、成人の体内には約150gの塩素が存在しています。
塩素は水道水の殺菌にも使用されています。日本の水道水は、水道の技術が世界で最も発達しており、世界でも問題なく飲める環境にあります。また、近年では、高度処理が進んでいて、塩素臭は以前よりも弱くなっており、ミネラルウォーターより水道水のほうが美味しいと言われてる地域もあるようです。
単体での塩素は、非常に酸化力が強く、毒性の強い成分です。人類初の本格的な化学兵器として使用されました。生活では、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)などに利用されていて、酸性の洗剤(トイレ用洗剤など)と混ぜると有毒な単体の塩素ガスが発生します。
塩素ガスは、大量に吸うと呼吸不全から死に至ることもあり、非常に危険です。
★体内での働き・・・体液の浸透圧の維持・体液のpHの維持・胃液の成分になる
★欠乏症・・・通常は起こりません。
★過剰症・・・通常は起こりません。塩素ガスを吸った場合、呼吸不全などになります。
★多く含む主な食品・・・調味料(食塩・しょうゆ・味噌など)、塩蔵品(漬物・魚の干物など)、お菓子
⑦イオウ(S 原子番号16)
イオウ(硫黄)は硫黄化合物となり、唯一元素ではなく他の元素と結合して存在するミネラルです。
皮膚や髪、爪のケラチンを構成するシスチン、システイン、メチオニンなどの含硫アミノ酸(硫黄を含んだアミノ酸の総称)に存在しています。含硫アミノ酸の1日の平均必要量は体重1kgあたり15gと推定されていて、栄養上重要なアミノ酸の1つとされています。
アミノ酸に含まれることが多いイオウは、たんぱく質を含む肉や魚、卵、牛乳などに豊富で、大豆のたんぱく質にも含まれます。また、玉ねぎやにんにくなどに含まれる含硫化合物にもイオウが存在しているそうです。
また、ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝を促進しています。
★体内での働き・・・含硫アミノ酸の成分になる・健康な皮膚や爪をつくる・ビタミンの成分になる
★欠乏症・・・通常は起こりません。仮に不足すると皮膚や爪の異常、成長不良、関節炎などが出ます。
★過剰症・・・通常は起こりません。
★多く含む主な食品・・・肉類、卵、牛乳、大豆、玉ねぎなど
⑧鉄(Fe 原子番号26)
非常に重要な成分の鉄は、鉄は体内に3~4g存在して、その約60~70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分に、約4%が筋肉中にあるミオグロビンの成分にあり、機能鉄と言われています。残り約25%が肝臓や脾臓、骨髄にあり、機能鉄が不足すると使われるため、貯蔵鉄と言われています。
赤血球の中に含まれるヘモグロビンは、酸素と結合し、肺から全身へと酸素を運ぶ役割を担っています。
筋肉中にあるミオグロビンは、ヘモグロビンよりも酸素と結合する力が強く、酸素を代謝に必要な時まで筋組織中に貯蔵します。
鉄は、ミネラルの中でも吸収されにくい栄養素です。食事から摂取した鉄の体内吸収率は15%程度(推定値)と考えられています。
食品中の鉄の種類は、動物性食品(肉・魚・レバーなど)に含まれるヘム鉄と、植物性食品(野菜・海藻・大豆など)に含まれる非ヘム鉄があります。
ヘム鉄の方が非ヘム鉄に比べ吸収されやすいので、鉄不足を感じる方はレバーなど積極的に摂取すると良いでしょう。しかし、非ヘム鉄も、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂取することで吸収率をアップすることが知られているそうです。
また、鉄のフライパン・鍋・やかんなどで調理すると料理に鉄が溶け出して、貴重な鉄の補給源になるといわれています。
★体内での働き・・・酸素の供給・二酸化炭素の回収・エネルギーの産生・酵素の材料
★欠乏症・・・鉄欠乏性貧血になります。酸素が全身に供給されず、疲れやすくなったり、持久力がなくなったりします。頭痛や動悸、息切れ、食欲不振などの症状があらわれることもあるそうです。
★過剰症・・・吸収率が低いため、通常の食事で発症することはありません。ただし、サプリメント等で過剰に摂り続けると、嘔吐などの胃腸症状を起こしたり、鉄沈着症を起こしたりします。
★多く含む主な食品・・・豚レバー、鶏レバー、シジミ、赤貝、青のり、納豆、大根の葉、小松菜など
⑨亜鉛(Zn 原子番号30)
亜鉛は成人の体内に約2g存在しています。成人ではおもに骨格筋や骨に含まれますが、皮膚、肝臓、脳、腎臓など多くの臓器に存在しています。
亜鉛は、100種類を超える酵素の構成要素となっていて、さまざまな生体内の反応に関わっています。アミノ酸からのたんぱく質の再合成や遺伝子の合成にも必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に重要な役割があるほか、骨の成長や肝臓、腎臓、膵臓など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルなのです。
また、亜鉛は、味覚を感じる味蕾(ミライ)の新陳代謝にも関与していて、亜鉛不足だと味が正常に感じられなくなります。加工食品に頼った食事をしたりダイエットで食事量を減らしたりすると、亜鉛が不足しやすくなるそうです。
★体内での働き・・・細胞の新生を促進・成長促進・性機能の発達、維持・味覚の維持
★欠乏症・・・成長障害、味覚異常、免疫力の低下、生殖機能の低下が現れます。
★過剰症・・・通常はみられませんが、サプリメントなどで摂り過ぎると、銅の吸収を阻害、神経症や腎障害などの中毒症のおそれがあります。
★多く含む主な食品・・・魚介類(特に牡蠣)、肉類、大豆製品
⑩銅(Cu 原子番号29)
銅は、鉄がヘモグロビンに合成されるときに必要な酵素です。成人の体内に約80mgが含まれていて、約50%が骨や筋肉、約10%が肝臓に存在しています。
また、銅は多くの酵素の構成成分で、活性酸素を除去するなどの働きをしたり、骨の形成を助けたりする役割もあります。
広く食品に含まれることから、通常不足することはありませんが、先天的な銅の代謝異常による欠乏症が知られているそうです。(メンケンス病。症状は発育遅延など)
★体内での働き・・・酸素の材料になる・鉄の利用を促進・活性酸素の除去・神経伝達物質の産生
★欠乏症・・・通常はみられません。極端に不足すると、貧血や成長障害、コレステロールや糖代謝の異常、メンケンス病などが現れます。
★過剰症・・・通常はみられませんが、遺伝性のウイルソン病(遺伝性疾患)などがあります。
★多く含む主な食品・・・肉類、魚介類、くるみ、ピスタチオ
⑪マンガン(Mn 原子番号25)
マンガンは、骨の形成や糖質及び脂質の代謝に働く酵素や、抗酸化作用のある酵素など、多くの酵素の構成成分として不可欠です。
マンガンはおもに植物性食品に含まれ、動物性食品にはあまり含まれません。植物は、土壌からマンガンを吸収するため、その食品が育った土どのくらいマンガンが含まれるかによって、食品中の含有量が左右されると言われているそうです。
★体内での働きは・・・酵素の成分になる・骨の形成を促進・炭水化物や脂質の代謝に関与・抗酸化作用
★欠乏症・・・通常はみられませんが、不足すると骨の代謝異常の恐れがあります。
★過剰症・・・通常はみられません。経気道吸収による慢性中毒に、中枢神経の障害があります。
★多く含む主な食品・・・野菜類、豆・大豆製品
⑫ヨウ素(I 原子番号53)
体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要な構成成分です。甲状腺ホルモンは発育や基礎代謝の促進に深くかかわっており、重要な働きがあります。
摂取されたヨウ素のほとんどが吸収されて甲状腺に摂りこまれ、最終的には90%が尿中に排泄されます。日本人の1日のヨウ素摂取量は、世界的に見ても突出して多く、海藻や魚介類をよく食べているためだと考えられています。
★体内での働き・・・甲状腺ホルモンの材料になる・発育を促す・新陳代謝を促す
★欠乏症・・・日本人の場合はまれです。仮に不足すると、甲状腺肥大や甲状腺浮腫が現れます。成長期に不足すると成長障害がみられます。
★過剰症・・・日本人の場合は影響を受けにくいですが、過剰摂取になると、甲状腺機能低下症になることもあります。
★多く含む主な食品・・・海藻類、貝類、魚介類
⑬セレン(Se 原子番号34)
セレンは、セレニウムと呼ばれていて、ビタミンEやビタミン土Cと協調して、活性酸素を分解する抗酸化作用があると考えられています。また、甲状腺ホルモンの活性化にも働くそうです。
食品中のセレンの多くは、たんぱく質に結合して存在しており、体内への吸収はたんぱく質と同時に吸収されていると考えられているそうです。また、吸収されやすいミネラルで、食事からとったセレンは腸で90%以上が吸収されると推定されています。
セレンは魚介類に豊富に含まれています。マンガンなどと同様、土壌や肥料に含まれるセレンの量が食品中の含有量を左右します。
★体内での働き・・・酵素の成分になる・抗酸化作用・ビタミンCの代謝に関与・甲状腺ホルモンの代謝に関与
★欠乏症・・・通常はみられません。心筋症(克山病)。下肢の筋肉痛。皮膚の異常。
★過剰症・・・サプリメントなど摂り過ぎには注意が必要です。脱毛、爪の変形。胃腸障害、神経障害。呼吸不全、心筋梗塞。
★多く含む主な食品・・・魚介類、肉類、卵黄
⑭クロム(Cr 原子番号24)
クロムは、血中のブドウ糖を調整し、血糖値を正常に維持して糖質や脂質の代謝を助ける重要な働きをもっています。また、インスリンと結合して耐糖因子となって糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を予防したり、中性脂肪やコレステロール値の改善・肥満予防などに効果が期待されています。
クロムは吸収されにくく、体内にはごくわずかにしか存在しません。摂取してもほとんどが尿へと排泄され、食事から吸収されるのは1%程度と考えられているそうです。クロムが特別多く含まれる食品はありませんが、微量ながらもいろいろな食品に含まれています。
★体内での働き・・・インスリンを活性化させる・糖尿病予防・脂質の代謝を促す
★欠乏症・・・通常は起こりません。耐糖能の低下、糖尿病。体重の減少
★過剰症・・・通常は起こりません。胃腸障害、腎臓や肝臓への障害などの危険性。6価クロムの場合は皮膚炎や肺がんなど
★多く含む主な食品・・・穀類、魚介類、肉類
⑮モリブデン(Mo 原子番号42)
モリブデンは、肝臓や腎臓に多く存在しています。老廃物である尿酸の代謝や体の中に入った有害物質を分解する酵素の構成成分として、重要なミネラルだと考えられています。また、鉄分の働きを高め、造血に関わる作用があることから「血のミネラル」とも言われているそうです。
★体内での働き・・・補酵素の成分になる・尿酸の生成を促す・ビタミンCの代謝に関与・甲状腺ホルモンの代謝に関与
★欠乏症・・・通常は見られません。遺伝的にモリブデンがかかわる酵素を持たない場合、脳の委縮などが生じます。
★過剰症・・・通常は見られません。尿酸の代謝異常の可能性。
★多く含む主な食品・・・大豆製品、肉類、穀類、豆類
⑯コバルト(Co 原子番号27)
コバルトは、ビタミンB12の構成成分として必須の成分です。ビタミンB12の物質名はコバラミンといいますが、これはコバルトに由来しているそうです。
コバルトは、鉄を充分に摂取しても貧血が改善しないことから必要性が認められました。ビタミンB12して、赤血球やヘモグロビンの生成時に鉄の吸収を促すほか、脂質やアミノ酸の代謝にも関わっています。
★体内での働き・・・ビタミンB12の成分になる・悪性貧血の予防、緩和。
★欠乏症・・・通常は起こりません。悪性貧血
★過剰症・・・通常は起こりません。一時的に大量に摂取すると、嘔吐や発疹、聴覚障害など
★多く含む主な食品・・・貝類、肉類(レバー)、乳製品、納豆、もやし
⑯フッ素(F 原子番号9)
フッ化カルシウムとして骨や歯の表面に存在していて、虫歯予防に効果があります。⑰バナジウム(V 原子番号23)
インスリンに似た働きがあると期待されています。また、脂質の代謝にも関わると言われているそうです。
⑱ケイ素(Si 原子番号14)
骨や関節、血管、皮膚、爪など多く含まれ、コラーゲンを束ねて結合組織を強くするといわれています。ケイ素が不足すると、爪が割れる、皮膚がカサカサするなどの症状が現れるそうです。
⑲ニッケル(Ni 原子番号28)
尿素を分解する酵素アルギナーゼに存在しているそうです。また、鉄の吸収を助けるなどの働きが知られています。
〈主要参考文献〉
からだにおいしい あたらしい栄養学(吉田企世子・松田早苗監修 高橋書店)
