健康食品(サプリメント)を考える

健康食品(サプリメント)に入っている材料で健康被害が起きたと、連日テレビやネットニュースで話題になっていますが、情報は正しく読み取らなければなりません。

◆目次◆

1.健康食品(サプリメント)とは

2.紅麹サプリメント

3.まとめ

1.健康食品(サプリメント)とは

いわゆる「健康食品」とよばれるものについては、法律上の定義は無く、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般を指しているものです。
そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります。
保険機能食品制度は、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)食品の場合にはその機能について、また、国の定めた栄養成分については、一定の基準を満たす場合にその栄養成分の機能を表示することができる制度です。           =厚生労働省=
=健康食品(サプリメント)の利用目的=
○健康の維持・増進や病気の予防
○食事で不足している栄養素の補給や強化
○疲労回復
○美容やダイエットなど様々
=健康食品(サプリメント)の上手な利用方法=
健康食品(サプリメント)は健康補助や栄養補助を目的とした食品です。ただし、摂取するだけで健康な体が手に入るわけではありません。健康食品(サプリメント)を利用しながら生活習慣や食生活も一緒に見直していくことが大切です。
=健康食品(サプリメント)を控えた方がよい人=
健康食品(サプリメント)は食品ではありますが、副作用がないわけではありません。摂取を控えた方がよい人もいます。例えば妊娠中、授乳中、子供、アレルギー体質、持病のある人は、自分が飲めるものかをしっかり確認する必要があります。また、健康食品(サプリメント)を利用するときは、いつどのくらい飲んだかなどをメモし、体調が悪くなったときはすぐに利用を中止しましょう。

2.紅麹サプリメント

今、問題になっている紅麹を原料としたサプリメントは、「悪玉コレステロールを下げる、L/H比を下げる」機能性表示食品(※1)です。
以下、各機関が発表している内容を抜粋したものです。
2024.3.25 小林製薬株式会社
【小林製薬株式会社が販売しております機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取された方において、腎疾患等が発生したとの報告を受けました。
これを受け、本製品及びそれに使用している紅麹原料(自社製造)の成分分析を行った結果、一部の紅麹原料に当社の意図しない成分が含まれている可能性が判明いたしました。
現時点でこの成分の特定や本製品の腎疾患等との関連性の有無の確定には至っておりませんが、お客様の健康被害が拡大することを防ぐための予防的措置として、紅麹関連製品を自主回収することといたしました。】
2024.3.29 小林製薬株式会社
【新たに把握した事象のご報告
腎疾患を伴ってお亡くなりになられた方が生前に紅麹コレステヘルプをお使いになられていたとのご連絡を、ご遺族の方からいただきました。現在、事実及び因果関係を真摯に確認させていただいている最中ではございますが、速やかな情報開示の観点からご報告申し上げます。】
2024.3.29午後6時追記 厚生労働省
【厚生労働省は会社側の調査で健康被害の訴えがあった製品のロットで、青カビから発生することがある「プベルル酸※2」という物質が確認されたことを明かしました。原因物質かどうかはわからないということで厚生労働省は国立医薬品食品衛生研究所で過去3年分のサンプルを分析し、特定を進めることにしています。
プベルル酸は、抗マラリアの作用が報告されているということですが、どのくらい飲むと人体に影響があるのかや、腎臓に対する影響は現時点では明らかになっていないということです。また、今回確認されたプベルル酸が青カビからできたものかなど製品中に含まれた経緯も分かっていないということです。】
2024.4.1 一般社団法人日本腎臓学会
「紅麹コレステヘルプに関連した腎障害に関する調査研究」アンケート調査(中間報告)
【患者さんは40歳~69歳が約9割を占め、現時点ではやや女性に多い傾向があります。服用開始は約4割の方が1年以上前(2023年3月以前)ですが、服用期間が短期間の方も発症しておられます。(中略)企業による死亡例の発表がなされていますが、学会としてはまだ情報を持ち合わせておらず、本アンケートでは死亡された方はおられませんでした。
なお、健康被害と紅麹コレステヘルプとの因果関係については科学的な検証が必要と考えております。
原因物質については、候補物質に関する報道がなされていますが、今後厚労省が国衛研とともに網羅的探索かつ発生機構の解明を行うことになっています。】

この紅麹の成分を含む健康食品について、何が問題なのか詳しい原因は現時点でわかっていません。
紅麹は米などの穀類に麹菌の一種である紅麹菌を繁殖させてつくられたもので、古くから食品の着色料などとして使われてきました。一方、ヨーロッパでは紅麹菌由来の健康食品による健康被害が報告されていて、EUは、一部の紅麹菌が生むカビ毒の「シトリニン」について、サプリメントに含まれる基準値を設定し、10年前、内閣府の食品安全委員会も注意喚起を行っています。(小林製薬は、今回、「シトリニン」についてはサプリメントの原料となった紅麹からは検出されていないとしています。)
※1機能性表示食品
食品の機能性をパッケージなどに表示することができる保健機能食品のひとつ。
販売前に、事業者が食品の安全性や機能性の科学的な根拠を、国が定めるルールにのっとり消費者庁に届け出て公表。効果や安全性を国が審査する特定保健用食品(トクホ)とは異なり、国の審査も行われないため、事業者の責任で適正に販売できる。
※2プベルル酸とは青カビの一種の代謝産物から見つかった天然化合物。マラリア治療のための有望な天然物質として注目されている。

3.まとめ

日本人は、1つの情報を妄信するクセがあるように感じます。多角的に物事を考える力を養いましょう。