免疫と予防対策

今、世界中で話題になっている新型コロナウイルスによる肺炎。こういったウイルスから身を守るためにはどうしたらよいでしょうか。

◆目次◆

1.免疫

2.病原体

3.感染

4.予防対策

5.まとめ

1.免疫


免疫とは、私たちの体をウイルスなど外敵から守る機能で、自然免疫と獲得免疫があります。

〇自然免疫
多くの生物が生まれつき持っている防御システムで、体を守るために最前線で外敵と戦っています。
・皮膚や粘膜
外敵の侵入を物理的に防いでくれます。ところが、皮膚の角質が傷ついたりすると、外敵が侵入して感染症やアレルギーを引き起こしたりします。
・涙や汗や鼻水
外敵の侵入を防いでくれます。これらに含まれるリゾチームという酵素は、ある種の細菌を排除する働きがあります。
・消化器官などを覆う粘膜
外敵の侵入を防いでくれます。消化液は、食べ物などと一緒に入ってくる細菌やウイルスを殺してくれます。特に強酸性の胃液は強力です。しかし、ピロリ菌やノロウイルスなどは胃液でも死に難く、例えばピロリ菌は、アルカリ性の物質を放出して胃液の中でも生き続けます。

皮膚や粘膜が傷ついて外敵が侵入すると、白血球の仲間、マクロファージや樹状細胞が外敵を食べます。さらに同じく白血球の仲間、好中球も参加して外敵を食べます。

〇獲得免疫
外敵との戦いで得た情報を記憶して、次に効率的に外敵を排除する防御システムです。ただし、記憶している敵とは戦えますが、記憶にない敵には効果がありません。

樹状細胞は、外敵を食べたあと、そのかけらを白血球の仲間・T細胞に提示します。この段階のT細胞はまだ活性化しておらずナイーブT細胞と呼ばれます。
抗原を提示されたナイーブT細胞のうち抗原を認識できるものが活性化してヘルパーT細胞になり増殖して外敵と戦います。
また、白血球の仲間・B細胞は抗体をつくります。B細胞とヘルパーT細胞はお互いに活性化しあって外敵を攻撃します。B細胞の一部は、メモリーB細胞となって免疫の記憶を残します。ヘルパーT細胞の一部も同様です。感染を経験しながらメモリーB細胞を得ることが獲得免疫のしくみです。

〇細胞性免疫「T細胞とNK細胞」
細胞の中に入り込んだ外敵と戦います。
・細胞障害性T細胞・・・細胞内の外敵が外に漏れないよう細胞を死に誘導します。
・NK細胞・・・外敵に入られた細胞を殺したり、初期のがん細胞を殺すと考えられています。

2.病原体

人体に侵入して免疫反応を引き起こす異物、抗原。抗原の1つ、微生物は私たちのまわりに無数存在していて、感染して病気を引き起こす微生物を病原体といいます。
〇細菌(1~5ミクロン)
細胞分裂によって増殖。病原体になるものには大腸菌、結核菌、サルモネラ菌など。
〇ウイルス(0.02~0.1ミクロン)
自力で増殖することはできない。病原体となるものにはインフルエンザウイルス、ノロウイルス、肝炎ウイルスなど。
〇カビ(真菌)(数ミクロン~数十ミクロン)
カビやキノコ、酵母など。病原体になるものには、白癬菌、カンジダなど。

3.感染

病原体が身体のどこかで増殖し、その結果、起きる病気を感染症といいます。
細菌は、自力増殖できるので付着・侵入した場所で細胞分裂によって増殖します。ウイルスは、細胞の中に入り込み、その細胞がたんぱく質をつくる仕組みを利用して自分のコピーをつくります。新しいウイルスは細胞を破壊して飛び出し、また次の細胞に入り込み増殖します。
病原体が侵入する経路を感染経路といいます。
主な感染経路
〇経口感染・・・食べ物や汚染された水など口から入る感染。
〇接触感染・・・皮膚や粘膜の接触、手や器具などを介しての接触で感染。
※濃厚接触とは、約2mの距離で30分以上会話するなどの行為。
〇飛沫感染・・・咳やくしゃみなどで、病原体を含む飛沫を吸い込むことにより感染。
〇空気感染(飛沫核感染)・・・空気中を漂う微粒子(飛沫核)を吸い込むことにより感染。
〇血液感染・・・輸血や注射針などを介して感染。
〇ベクター感染・・・動物が媒介者(ベクター)となり感染。

4.予防対策

感染しないためには、人間が持っている免疫が上手く機能することと、日頃から予防するための対策を習慣づけることが大切です。

〇腸内環境
腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌ともにヘルパーT細胞やB細胞の活性化など免疫に重要な役割を果たしていると考えられています。
腸内環境は日々変化しています。免疫を高めるには腸内バランスを保つ努力をしましょう。
・栄養バランスの良い食事
・善玉菌のエサとなるものを摂取
・規則正しい食事
・自律神経の乱れを整える

〇日常対策
感染しないためにできることを習慣づけましょう。
・手洗い(指・爪・手首と丁寧に洗う)
・うがい
・マスク(咳エチケット)
・十分な睡眠・休息
・予防接種

5.まとめ

免疫は自身を守る大切なシステムでした。感染しないためには、免疫を高めることと、手洗いなどの対策を習慣化することです。また、感染してしまったときは、周りに広めないようエチケットを身に付けましょう。