ようやくコロナ渦も過ぎて日常は取り戻しましたがまだ感染する人が多いみたいです。
この機会に私たちに備わる免疫機能をおさらいしてみます。
<目次>
1.最前線の防御(食細胞による自然免疫)
2.自然免疫から獲得免疫へ(樹状細胞の登場)
3.まとめ
1.最前線の防御(食細胞による自然免疫)
私たちのからだの表面は皮膚や粘膜におおわれていて病原体の侵入をはばむバリアとなっています。
口や胃など消化管は食物と一緒に入ってくる病原体にさらされるため、唾液や胃酸、消化液などもバリアの役割を担っています。
このため、皮膚が傷ついてしまったり鼻の粘液が乾燥してしまうなどしてバリアにほころびが生じると病原体の侵入を許してしまいます。
この侵入してきた病原体を排除するためのしくみが免疫です。
病原体に最初に立ち向かうのは食細胞です。
食細胞は私たちのからだの細胞の死骸や老廃物などを食べて消化してくれていて侵入した病原体も食べてくれます。
ただし正常な細胞には表面に「食べないで」という目印があるため手を出しません。
食細胞は病原体を食べると活性化して消化能力や殺菌能力が増しますがわたしたちの細胞の死骸や老廃物を食べても原則として活性しません。
さらにサイトカインと呼ばれる警報物質を放出して仲間を呼んだり周囲の免疫細胞を活性化させたりします。
サイトカインにはインターロイキンやインターフェロンなど数多くの種類と様々な働きがあり、ケモカインは仲間の応援を呼びよせる物質でその他は主に周囲の免疫細胞を活性化させます。
これらのサイトカインの働きによって病原体の侵入現場にはぞくぞくと応援がかけつけて活性化します。
この状況を「炎症」といいます。
最初に立ちはだかる食細胞は主にマクロファージで大食細胞とも呼ばれる大食漢です。
次に応援にくる食細胞は主に好中球で数が多く強い殺菌作用を持っていることから働きだすとマクロファージよりも強力です。
ただし寿命が2~3日と短く病原体を倒して死んだ好中球の死骸が膿(うみ)です。
これら生体防御の最前線で病原体を食べてしまう食細胞の働きを「自然免疫」といいます。
2.自然免疫から獲得免疫へ(樹状細胞の登場)
自然免疫は食細胞が相手かまわずなんでも食べて、その結果、侵入した病原体も食べてしまうことをそのシステムの基本としています。
ところが手強い相手もいて自然免疫だけ全ての病原体を撃退することはできません。
そこでわたしたちのからだには手強い相手をピンポイントで撃退する獲得免疫というしくみが備わっています。
この獲得免疫を始動させる主役が樹状細胞です。
樹状細胞は食細胞の仲間ですが病原体との戦いの現場にはあまりいません。
病原体がマクロファージや好中球だけで退治できそうにないときにその出番が回ってきます。
樹状細胞は基本的にはマクロファージや好中球と同じ働きをしていますが「抗原提示」能力が著しく高いため免疫の司令塔ともいわれています。
抗原提示とは病原体の断片化されたペプチド(アミノ酸2個以上の断片)を他の免疫細胞に提示することを言い、樹状細胞は抗原提示によってT細胞などより強力な免疫細胞の活性化を促します。
獲得免疫については次のコラムでみていきたいと思います。
3.まとめ
私たちに備わる免疫機能は行動制限などの茶番とは比べものにならない高度で複雑な防御システムです。
<参考資料>
新しい免疫入門 第2版 審良静男 黒崎知博 村上正晃 講談社 2024年
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