尿路結石は突然激痛が襲ってくるとてもこわい病気です。
男性の7人に1人、女性の15人に1人が一生のうち一度は経験するそうなので決して他人ごとではありません。
◆目次◆
1.尿路結石症
2.尿路結石になりやすい人
3.結石の種類
4.まとめ
1.尿路結石症
尿は腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道を通って排泄されます。
この腎臓から尿の通り道を総称して尿路といい、尿路結石症は尿路のどこかに石のように固い塊(結石)ができて尿の流れに支障をきたす疾患です。
腎臓は老廃物をろ過して尿をつくっていますが、尿成分のバランスがくずれたり濃くなってしまうと老廃物が尿中に溶けきれず結晶化してこの結晶が集まって固まったものが結石となります。
結石の主な成分はシュウ酸、リン酸、カルシウム、尿酸などです。
結石は、そのできる過程ではほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに結晶化がすすんでしまいます。
尿路結石による痛み「疝痛発作(せんつうほっさ)」は心筋梗塞や群発頭痛(くも膜下出血などによる頭痛)と並んで世界三大痛と呼ばれる激痛です。
2.尿路結石になりやすい人
男性は女性の2.4倍かかりやすく、とくに30~50代の男性が多いとされています。
一方、女性に少ない理由はエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの減少が関係するため女性は閉経後の50代以降に多くなるそうです。
尿路結石は食生活や運動など生活習慣と関係が深く、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病のある人がなりやすい病気でとくに肥満の人はそうでない人の2倍なりやすいとされています。
3.結石の種類
・シュウ酸カルシウム結石
結石の約80%はカルシウムに関するものでそのほとんどがシュウ酸カルシウムによる結石です。
シュウ酸カルシウムは尿に溶けにくいため結晶化しやすくシュウ酸を多く含む食品(植物などのアク成分、ほうれん草、タケノコ、緑茶、紅茶など)の摂りすぎが原因となりますがカルシウム不足も原因となります。
カルシウムを適量摂るとシュウ酸カルシウムが腸内で生成され便とともに排泄されることから尿中に含まれることが少なくなるためです。
・リン酸カルシウム結石
リン酸カルシウムのみの結石はまれでシュウ酸カルシウムの結石に混在して現れます。
・尿酸結石
尿酸とはプリン体が分解されるときに生じる老廃物です。
プリン体には体内で作られるものと食品から取り込まれるものがあっていずれも肝臓で分解され尿酸がつくられて尿と一緒に排泄されます。
この尿酸が結晶化して固まったものが尿酸結石です。
尿酸結石は尿路結石の約5%を占めるだけですが、その結晶がカルシウム結石の核になりやすく尿酸結石ができるとシュウ酸カルシウム結石もできやすくなってしまいます。
尿酸結石は尿中に尿酸が多かったり水分不足で尿の量が減ったときにできやすくなりますが、尿酸はアルカリ性で溶けやすく酸性で溶けにくい性質があるため尿が酸性にかたむくと尿酸結石ができやすくなります。
尿が酸性にかたむく主な原因も偏った食生活と考えられています。
一般に動物性たんぱく質を摂りすぎると尿は酸性にかたむき野菜や果物を積極的に摂るとアルカリ性にかたむきやすくなります。
また尿酸は生活習慣病である高尿酸血症や通風との関連も指摘されています。
高尿酸血症を放置していると血液中の余分な尿酸が結晶をつくり足の指などの関節に沈着して炎症を引き起こす通風による激痛発作が起こってしまいます。
・リン酸マグネシウムアンモニウム結石
リン酸マグネシウムアンモニウム結石はプロテウスなどの尿素分解菌が尿路に感染することによってできる結石で女性に多くみられ石が細菌を増やしさらに石が増えるという悪循環につながるため短期間で結石が大きくなる特徴があります。
その他遺伝子性疾患であるシスチン尿症があります。
腎臓にある尿細管の機能異常によりシスチン、リジン、アルギニン、オルニチン(いずれもアミノ酸)が体内に再吸収されにくくなるためこれらアミノ酸が尿中に過剰に排泄され、そのうちシスチンは水に溶けにくい性質があり尿路に沈着して結石をつくります。
4.まとめ
尿路結石も生活習慣と深い関連性がありそうです。
<参考資料>
尿路結石症 松崎純一 法研 2020年
<参考コラム>
尿路結石(後編)
