
◆目次◆
1.結石のできる場所ごとの特徴
2.尿路結石を招く生活習慣
3.女性ホルモンの減少
4.まとめ
1.結石のできる場所ごとの特徴
尿路結石は結石がある部位によって「腎臓結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」の4つに分類され腎臓結石と尿管結石」は「上部尿路結石」、膀胱結石と尿道結石は「下部尿路結石」に分類されます。
尿路結石の95%は上部尿路結石でその比率は増加傾向だそうです。
上部尿路結石では結石は主に腎臓でつくられて腎臓にとどまれば腎臓結石、尿管に流れおちれば尿管結石となりその90%以上がカルシウム結石です。
上部尿路結石の発症年齢のピークは男性で30~60代、女性は女性ホルモンとの関連から50~60代となっています。
・腎臓結石
腎臓結石は結石のある場所によって「腎孟結石」「腎杯結石」「腎実質結石」と呼ばれほとんどが腎孟結石か腎杯結石です。
多くは自覚症状に乏しくサイレントストーンとも呼ばれていますが腎杯には狭いところがあるため結石による閉塞がおこると鈍痛を感じることがあります。
結石が尿管に流れ出さず腎臓の中にとどまり続けるとサンゴのように大きくなるサンゴ状結石になってしまいます。
サンゴ状結石は腎臓結石の終末状態ともいえ症状がないからといって放置していると水腎症や尿路感染症、腎孟腎炎などを引き起こし腎機能の低下につながってしまいます。
サンゴ状結石は自然に排泄されないばかりか非常に固いため容易に粉砕もできません。
腎機能の低下が著しい場合は腎臓そのものを摘出する場合もあります。
腎臓結石の約80%はカルシウム結石ですが、サンゴ状結石になりやすいのはシスチン結石や尿酸結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石です。
・尿管結石
腎臓の結石が流れ落ちたものが尿管結石となり約80%がカルシウム結石です。
尿管は尿を膀胱に運ぶ直径4~7ミリ長さ25~35センチの細長い臓器で蠕動運動によって尿を膀胱に運んでいます。
腎臓(腎孟)とのつなぎ目「腎孟尿管移行部」、尿管と腸骨動脈が交叉する「腸骨動脈交叉部」、尿管と膀胱のつなぎ目「尿管膀胱移行部」の3カ所で結石がつまりやすく中でも尿管膀胱移行部に結石が最もつまりやすいそうです。
尿管結石では突然の疝痛発作に襲われ、結石が膀胱に近づくにつれて頻尿や残尿感など膀胱炎のような症状を伴うようになります。
結石が膀胱に落ちると症状は急に消失して多くは尿と一緒に自然排出されます。
・膀胱結石
下部尿路結石のうち膀胱結石は腎臓でつくられた結石が膀胱まで落ちてきて膀胱内で大きくなるものと膀胱内で新たにつくられるものとがあります。
膀胱の結石が膀胱から落ちて尿道にとどまると尿道結石になります。
上部尿路結石に比べてカルシウム結石の割合が少なく尿酸結石や感染性のリン酸マグネシウムアンモニウム結石が多い特徴があり発症年齢のピークは男女ともに60才以上で男女の比率は4:1となっています。
高齢男性に多い理由は排尿障害によって引き起こされることが多いこと、男性は前立腺肥大症や尿道狭窄など排尿障害の原因となる疾患にかかりやすいことが考えられています。
膀胱結石の症状としては頻尿や排尿困難、排尿痛、残尿感、血尿、下腹部の不快感などがありいずれも膀胱炎と似ていて膀胱結石になると膀胱炎を合併することも多いそうです。
・尿道結石
尿道結石は膀胱から落ちてきたものがほとんどですがまれに尿道憩室で結石がつくられることもあります。
尿道が長く狭い男性に圧倒的に多く女性にはほとんど見られません。
尿道結石ができると尿が出にくくなったり強い排尿痛がおこったりします。
また、排尿に時間がかかったり肉眼でわかる血尿もみられるようになります。
尿道が完全に詰まると尿閉といって尿が全くでなくなることがあり緊急処置が必要となります。
2.尿路結石を招く生活習慣
・動物性たんぱく質や脂肪の過剰摂取
尿路結石は食生活や運動習慣の影響によって発症する可能性が高い生活習慣病のひとつと考えられています。
動物性たんぱく質を摂りすぎると結石を抑制するクエン酸が減少して結石のもとになるカルシウムや尿酸が尿中に増加します。
脂肪は体内で脂肪酸に分解され、脂肪酸はカルシウムと結合しやすい性質があります。
結石のもとになるシュウ酸もカルシウムと結合しやすい性質がありますが、腸内に脂肪酸が多いとカルシウムを取り合ってしまいます。
腸内で生成されたシュウ酸カルシウムは便と一緒に排泄されますが、腸内で結合しきれなかったシュウ酸は尿路でカルシウムと結合して結石の原因となります。
・カルシウム不足
カルシウム不足も結石の原因となります。
シュウ酸とカルシウムが腸内で結合してシュウ酸カルシウムになることは何なら問題無いのですが、カルシウムが不足すると腸内での結合が減少してしまい、シュウ酸が尿路でカルシウムと結合して結石の原因となってしまいます。
シュウ酸は様々な食品に含まれているため摂取を控えると偏食の危険がありますので、一日600~800ミリグラム程度の適量なカルシウムを摂るとよいとされていますが過剰摂取には注意が必要です。
・肥満と運動不足
尿路結石は肥満との関連が深く、尿路結石患者のうち男性は40%、女性は25%に肥満が見られ肥満の人は尿路結石を発症するリスクがそうでない人よりも2倍高くなります。
食べすぎ、飲みすぎ、運動不足などによる内蔵脂肪型肥満いわゆるメタボリックシンドロームは様々な生活習慣病を合併しやすくメタボの人は尿路結石を発症するリスクも高いと考えられています。
メタボの実態はインシュリンが正常に分泌されなくなる「インシュリン抵抗性」であると考えられ、インシュリン抵抗性があると糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病に次々とつながっていきます。
尿路結石の場合、インシュリン抵抗性によって尿が酸性に傾き結石ができやすい体質になると考えられています。
3.女性ホルモンの減少
尿路結石は圧倒的に男性に多い病気ですが女性も更年期を過ぎるとかかりやすくなります。
閉経時期を迎え女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少すると骨の新陳代謝のバランスが崩れ古い骨の吸収(骨吸収)に新しい骨の形成(骨形成)のスピードが追いつかなくなってしまいます。
カルシウムが血中に溶け出すことで骨がすかすかになって骨粗しょう症を引き起こしてしまうと同時に、血中カルシウム濃度は一定に保たれるため過剰に溶けだしたカルシウムは尿によって排泄されるためカルシウム結石の原因ともなるからです。
4.まとめ
私が襲われた疝痛発作はどうやら尿管結石のようでした。
最初、腰痛かなと思ったらあっと言う間に痛みが強くなり悶絶、病院で薬をもらってしばらくすると症状が消えました。
それから約10年後、2回目の疝痛発作に襲われました。
同じように腰痛かなと思ったら痛みが強まり、1時間ほど悶絶していると急に症状が消えました。おそらく詰まっていた結石が流れ落ちたようです。
尿路結石は再発するリスクが高く生活習慣と深い関わりがある病気です。
あらためて食生活など生活習慣の大切さを身をもって実感しました。
<参考資料>
尿路結石症 松崎純一 法研 2020年
<関連コラム>
尿路結石(前編)
