感染症から身を守る。IgA抗体とは

唾液に含まれるIgA抗体の量で免疫力を調べるキットがあり、自分の免疫がどのくらいあるのか調べてみると、65.6㎍/min(標準が77.8㎍/min)という数字でした。※ちなみに職場の同僚は10.7㎍/min。大丈夫かな・・・

◆目次◆

1.免疫グロブリン

2.IgA抗体

3.IgAを増やすには

4.まとめ

1.免疫グロブリン

抗体とは、侵入してきた病原体(抗原)に結合して、これを無力化するように働く免疫物質です。その抗体は、B細胞が産生するグロブリンというタンパク質でできており、免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称Ig)とも呼ばれます。
免疫グロブリンの基本的な形はY字型をしていて、構造や形状の違いにより5種類に分類されます。
①IgM
細菌やウイルスに感染したとき、最初に作られる抗体です。その後、IgGが作られます。このため、血中のIgMを調べる事で今どんな感染症にかかっているかが分かるそうです。
IgMは5つのY字構造が互いに結合していて、Y字構造1つで出来ているIgGより効果的に病原体をとらえて排除します。
②IgG
血液中に最も多く含まれる免疫グロブリンは、全体の約70-75%を占めていて、液性免疫の主役です。種々の抗原に対する抗体を含んでいま2す。
外敵を排除するための最強の武器になり、長期間血液中に残ります。
③IgA
人の腸管、気道などの粘膜や初乳に多く存在する粘膜免疫です。
IgAは血液中ではY字型をしていますが、粘膜や初乳中ではY字構造が2つ結合した形をしています。
④IgE
免疫グロブリンとしては最も量が少なく、花粉症などアレルギーの発症と関係がある抗体です。
⑤IgD
Y字型をしていますが、量的にも少なく、詳細な役割はまだ分かっていません。

2.IgA抗2

免疫グロブリンの5種類に分類される中のひとつIgA抗体(以下IgA)は、体内では2番目に多く、唾液・涙腺・鼻汁・消化管・膣など全身の粘膜に存在している粘膜免疫です。
様々な種類の細菌やウイルスに対応でき、鼻や喉などの表面上では、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ働きがあります。また、IgAは血中にも存在していて、体内に侵入してきた細菌やウイルスを無効化する働きもあります。
近年では腸内の善玉菌・悪玉菌を見分けていることも新たに発見されるなど、IgAは粘膜免疫として重要な役割を果たしています。
新生児は母乳に守られている
生後すぐの赤ちゃんはIgAをはじめ、免疫機能が未発達な状態です。これを補うのが母乳です。母乳にはIgAが多く存在し、特に産後数日間に出る初乳に含まれるIgAの量は最大級です。赤ちゃんは母乳を飲むことによって、口や腸を感染から守っているのです。

3.IgAを増やすには

腸内細菌は健康にとって良い働きをしてくれます。
中でも、ビフィズス菌などの善玉菌が水溶性の食物繊維などをエサに大腸内でつくり出す「短鎖脂肪酸」は、IgAの産出量を増やしてくれるという事実が研究で明らかになっているそうです。
IgAをはじめとする免疫がより良く働けるように、日々の食生活や生活習慣を見直してみましょう。

免疫力を高める食材
◇ビタミンA(ニンジン、豚、鶏レバー、ホウレン草など)
皮膚や鼻、呼吸器などの粘膜を強化し、細菌やウイルスから体を守る働きがあります。また、抗酸化作用が高く、血管を健康に保ち、老化を予防する働きもあります。
◇ビタミンC(ピーマン、キウイ、ブロッコリー、レモンなど)
強い抗酸化作用が特徴です。免疫細胞の働きを強化し、免疫力を高めることが分かっています。
◇ビタミンE(かぼちゃ、アーモンド、胚芽油、せん茶など)
老化抑制ビタミンとも呼ばれるビタミンEは、細胞や血管を活性酸素から守り、老化や免疫力を高める働きがあります。
◇発酵食品(納豆、キムチ、味噌、漬物、ヨーグルトなど)
発酵食品には、納豆菌・麹菌・乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれていて、摂取することで善玉菌を増やす働きがあります。
◇食物繊維(ワカメ・ひじき・キャベツ・ブロッコリー・ゴボウ・エリンギなど)
肥満を抑制し、腸内細菌のエサとなり腸内環境を整えます。
◇水溶性食物繊維(果物・野菜・大麦・大豆・コンニャクなど)
小腸で糖や脂肪の吸収をゆるやかにする働きがあります。
◇不溶性食物繊維(果物・野菜・根菜類・豆類・イモ類・キノコ類など)
水分を吸ってふくらみ、腸を刺激して動かし、便通をスムーズにします。

食事以外での免疫力の高め方「睡眠・運動・笑う・温める」
◇睡眠
睡眠中、体内では多くのホルモンやサイトカインと呼ばれる免疫を活性化させる物質が分泌され、身体の回復を早めようとしてくれます。睡眠時間は人それぞれで異なりますが、まずは6~7時間ほどを目安に睡眠時間を確保してみましょう。
また、睡眠時間が6時間未満の人は6時間以上睡眠をとっている人に比べて、肺炎のリスクや脂肪率が高く、唾液中のIgA分泌量が低いなどの報告もあるそうです。
◇運動
60分程度の中強度な運動(ウォーキング(早歩き)など)をすることで、免疫力が高まると言われています。
反対に、激しい運動を行うと、免疫力が低下して感染リスクが高まると言われています。マラソンなど強度の高い運動をすると、風邪やインフルエンザに感染しやすくなるのは、そのためです。
◇笑う
笑うことで免疫細胞であるNK細胞が増加することがわかっています。
NK細胞はがん細胞やウイルスに感染してしまった細胞などを攻撃し破壊してくれるため、家族や友人との会話やTV番組などで大笑し、NK細胞を増やしましょう。
◇温める
身体を温めることで身体の血流が良くなり免疫力が高まるといわれています。
お風呂はシャワーを浴びるだけでなく、湯船につかって疲れを癒しながら、身体を温めましょう。

4.まとめ

2022年2月にこんなニュースがありました。
福島医大で、「IgA抗体は、新型コロナのデルタ株やオミクロン株などの変異株にも作用することを確認した」と発表がありました。
自分の免疫で細菌やウイルスから身を守るために、IgA抗体が標準値以上になるようイロイロ頑張ろうと思います。

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