
断食療法・絶食療法(fasting therapy)は民間療法として古くからあったそうで、断食=ダイエットではなく、本来は病気の治療方法の一つです。
断食によって、胃腸や肝臓の障害、ぜんそく、神経痛、リューマチ、うつ病など多くの疾病が改善すると言われています。ただし、誤った方法で行うと危険です。
◆目次◆
1.断食の主な効果
2.断食の方法、注意点
3.少食のすすめ
4.まとめ
1.断食の主な効果

1-1 デトックス効果
断食はデトックス(毒素の排泄)効果があり、断食後は毒素を排泄する力も高まると言われています。
1-2 体質改善
断食は体質を改善する効果があると言われています。
断食によって、宿便といわれる腸に停滞した便が排泄され、腸内環境が改善されます。
断食期間中は、栄養素を自分の体内から調達する完全な肉食状態になります。
この時、脂肪燃焼をサポートするビタミンなどが無いため、不完全燃焼になり、アセトンやケトンなどが生じて血液が酸性に傾き、体のアルカリ・酸バランスが崩れます。
体がこのバランスを戻そうとする結果、酸性体質が改善されます。
1-3 アンチエイジング
断食によって細胞の活性化が促されるため、アンチエイジング効果があると言われています。
1-4 血流の改善
断食は血流を改善する効果があると言われています。
断食によって栄養分が絶たれると、体はどこかから栄養分を捜し出さないといけなくなり、さしあたり生命維持に必要のない血管に滞留した老廃物などから栄養分を取り入れようとします。これを「自己融解」といいます。
これにより、血管内の不要な老廃物が減少して、血流の改善が促されます。
同様のメカニズムでイボがなくなる、がん細胞が小さくなることもあるそうです。
2.断食の方法、注意点

2-1 断食をしてはいけない人
断食は誰でもできるわけではありません。
中学生以下など成長過程の子ども、薬を常飲している方(胃を休めることができない)、体重が著しく軽い方(男性なら40kg以下、女性なら35kg以下)や妊娠中の方は取組むべきではありません。
また、体調に心配がある方、糖尿病や胃腸などに既往症がある方は、断食によって症状を悪化させてしまうリスクもありますので、専門家に相談するなど慎重に取り組む必要があります。
2-2 断食前の準備
断食に入る前には、漸減食期間、予備断食期間という徐々に食事を減らしていく準備期間が必要です。
カロリーを控えめに、消化の良いものを中心に徐々に食事の量を減らして、体を慣らしていきます。
断食前の準備期間は長ければ長いほど良いとされ、断食の効果が高まり、既往症のリスクが軽減されます。
2-3 好転反応
断食中は、悪寒、吐き気、眠気、脱力感、倦怠感、下痢などが起こる場合があります。
これらは好転反応(瞑眩(めんげん))といって、体が改善される過程で起こる一時的な症状で少しすると収まります。
但し、症状がひどかったり、いつまでも収まらない場合、消化の良いものを少し食べたり、断食を中断するなど慎重に取組む必要があります。
2-4 低血糖症状
準備期間中や断食中、栄養素が不足して血糖値が下がるため、低血糖症状がおこる場合があります。
低血糖症状では、脱力感や冷や汗、指先のふるえ、猛烈な空腹感などが起こり、ひどい場合、意識を失ったり脳障害が起こる場合もあります。
準備期間を長めにすると症状がおこりにくくなり、しばらくして体が慣れると収まりますが、あまりひどい場合、断食を中断するなど慎重に取組む必要があります。
2-5 脱水症状
断食中、水分は摂取しますが、塩分の不足などによって浸透圧が変化しているため、体が水分を吸収しにくい状態になっていますので脱水症状に注意する必要があります。
2-6 断食の目的は心身の改善
断食中は、多少の脱力感を感じたり、大好物のことを考えてしまったりします。
断食の本当の目的は、体のみならず心の改善であることを意識する必要があります。
食べ物のことを考えすぎて潜在意識に入り込むと、断食後の回復期間で失敗する可能性が高まり、せっかくの努力が水の泡となってしまいます。
2-7 断食後の回復食
断食によって臓器は休んだ状態です。急激に負荷をかけると、特に肝臓に負担がかかります。
断食後は、食事の量を数日かけて少しずつ戻していく必要があり、この食事を回復食といって消化の良いものを選ぶようにします。
一度、断食に成功した人でも陥りやすい失敗は、準備期間を疎かにしたり、回復食でいきなり食べ過ぎたりすることだそうです。
準備期間から回復食までが断食です。
3.少食のすすめ
以上、断食は高い効果が期待できる一方で厳密に行うにはハードルが高そうです。
断食に成功した人が「少し体調が悪くなってもまた断食すれば良い。」と考え、普段の食生活などが疎かになることもあるそうです。
一方、減食期間中でも体調や疾病が良くなることも多く、断食よりも少食で過ごせる習慣を身に付けることがより大切と考えられます。
そもそも私たちが1日3食を食べるようになったのは比較的最近のことです。
それまでは1日2食が通常でした(野生のライオンは1日1食。しかも獲物が取れた時だけ)。
始まりは明治海軍などの軍隊が「1日3食、腹いっぱい食べられる」ことで新兵を募集していたからだそうです。
4.まとめ

断食の効果を理解した上で、少食で過ごせる習慣を身に付けましょう。
但し、1日2食といっても1日3食と同じカロリーを摂ると逆効果です。
カロリー摂取量が同じだと食事の回数が少ないほど太りやすいので注意しましょう。
<参考資料>
断食・少食健康法 甲田光雄 春秋社 1980年
