水分を正しく補給しよう!


今どき、水分補給の大切さを理解していない人もいないと思うのですが、この時期、毎年のように熱中症が話題になります。
「運動中に水を飲むな。」と言うような指導者がまだいるのでしょうか。
アフリカのことわざで「水は食物の王様」だそうです。
豊富な水資源に恵まれ、蛇口をひねればどこでも水が飲める国なのに・・・
水分補給についておさらいしてみました。

◆目次◆

1.水分が不足すると

2.熱中症

3.水分補給のタイミング

4.まとめ

1.水分が不足すると


水分はヒトの体の約60%を占める最も重要な栄養素です。
ヒトは、食事なしでも数週間、生き延びられますが水分なしではそうはいきません。
水分によって、体温の調節が可能となり、消化、吸収、循環や細胞内外の栄養素・老廃物の輸送など身体を維持することができます。
水分が不足すると様々な影響があらわれます。
・体重比1~2パーセントの水分が失われると、口やのどの渇きを覚えます。
・4~5パーセント失われると、体温が上昇して吐き気や頭痛などの症状があらわれます。
・5~10パーセント失われると、精神や身体機能が低下して、チアノーゼもみられるようになります。
チアノーゼとは、皮膚が青紫色になる状態です。血中酸素が減少して呼吸困難や血行障害によって起こります。
・10パーセント以上失われると、幻覚や錯乱など熱中症の症状があらわれ、体温は40℃以上に上がります。
・14~15パーセントを超えると、循環不全や昏睡から死に至ります。

2.熱中症


熱中症は暑い環境下で発生する障害の総称で以下のような症状があり、水分の不足と強い関連があります。
・熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳の血流が減少して起こります。めまいや失神、顔面が蒼白となって脈が速く弱くなります。
・熱疲労:脱水症状によって脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状があらわれます。
・熱けいれん:大量の発汗時に水分だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下して、脚、腕、腹部などの筋肉に痛みをともなう痙攣がおこります。
・熱射病:体温の上昇によって中枢機能に異常をきたし、反応が鈍い、言動がおかしいなどの意識障害が起こります。
熱中症は、屋外だけでなく、特に高齢者の場合、屋内でも発生します。
高齢者は、体内の水分量が少ない、のどが渇く感覚が鈍くなる、皮膚で温度を識別する能力が劣ってくる、体温調節機能が低下してくるからです。
熱中症以外でも、水分不足によって、脳卒中や脳梗塞などのリスクが高まります。

3.水分補給のタイミング


・起床時:寝ている間に大量の汗をかくため、朝の身体には水分が不足しています。起きたらコップ1~2杯の水分を補給しましょう。
・運動の前、中、後:運動は大量に汗をかくため、運動中はもちろんのこと、その前後もこまめに水分を補給しましょう。
お奨めは運動前に「少し多いかな。」と感じるくらい水分を補給することです。バテにくくなり、パフォーマンスも向上します。
・飲酒中、後:アルコールには強い利尿作用があります。飲酒中やその後は水を飲むようにしましょう。ビールを10杯(ちょっと飲み過ぎ!)飲むと11杯分の水分が失われると考えると良いでしょう。
ここで利尿作用についてです。
利尿作用とは、アルコールやカフェインなどが交感神経を刺激して、腎臓の血管が拡張され、血液をろ過する量が増え、尿の生成量が増えることにより、排尿や回数が増えることを言います。
利尿作用のメリットは、老廃物が排泄される量が増えるので美容や健康に良いこと、水分の循環が良くなりむくみが解消されることがあげられます。
一方、デメリットは、排尿の回数が増えること、老廃物以外の必要なものまで排泄されることや、水分の排泄量が摂取量を上回ってしまう可能性があることです。
・入浴の前後:入浴中の発汗によって大量の水分が失われます。40℃のお湯に10分間つかると約500mlの水分が失われますので、入浴の前後にこまめに水分を補給しましょう。
・就寝前:睡眠中は呼吸や発汗によって大量の水分が失われます。就寝前にコップ1杯の水分を補給しましょう。
そのほか、飛行機の中は温度22~25℃、湿度20パーセント以下で砂漠地帯とほぼ同じ環境と言われています。アルコール類は控えめに水分補給を心掛けると良いでしょう。

4.まとめ


「運動中、水を飲むな。」世代です。
炎天下、5時間も6時間も延々と練習させられ、水分補給は1時間に一回だけでした。
練習中倒れて救急車で運ばれる選手がいると、先輩が「良く頑張った。」と言っていました。
今思えば、良く生きてこられたなあと思います。
水分補給はとても大切です。過剰摂取は良くないですがあまり気にせず、はやめ、こまめに水分を補給して暑い季節を元気で乗り切りましょう。

<参考資料>
健康のため水を飲もう 武藤芳照 水道産業新聞社 2010年