前回コラム「睡眠の質を改善しよう」では、ご自身のベスト睡眠時間を把握して翌日の起床時間に合わせてベッドに入りましょう!というところまでいきました。
この先、さらに睡眠の質を高めるにはどうすればよいでしょうか。
◆目次◆
1.最初の90分が大事
2.黄金の90分の質をあげるには
3.まとめ
1.最初の90分が大事
睡眠の質を高めるには最初の90分の質を高めるとよいと考えられています。
この最初の90分は「黄金の90分」とも言われ、一般的にノンレム睡眠が最深度まで到達します。
以降のサイクルではノンレム睡眠の深さがだんだん浅くなり徐々に覚醒に向かっていきます。
黄金の90分でノンレム睡眠が深くなって行くと交感神経の活動が弱まり副交感神経有利になります。
このように自律神経の交代がスムーズに行われると脳もからだもリラックスしてしっかりと休息がとれるようになる、つまり自律神経のバランスが整うことになります。
黄金の90分の質が良いとグロースホルモンの分泌が活発になると考えられています。
グロースホルモンは成長に関わるホルモンですが、成人になっても少量ながら分泌され、新陳代謝の促進や皮膚の柔軟性アップ、アンチエイジングの役割を果たしてくれます。
黄金の90分で一番深いノンレム睡眠が出現しないとグロースホルモンの分泌量が減ってしまうそうです。
黄金の90分は脳のコンディションも整えてくれると考えられています。
前回同様、最近の私の睡眠を観察すると就寝後すぐに短い夢を見ては覚醒する事を繰り返えしながら深い眠りに落ちていきます。
一般的に夢はレム睡眠のときや、深いノンレム睡眠からレム睡眠に切り替わるときに見ることが多いと考えられていますが、おそらく黄金の90分の質がよくないため、ノンレム睡眠の前にレム睡眠のような状態になっているのかもしれません(自己判断)。
もっとも最近の研究ではノンレム睡眠の間にも夢を見ると考えられているそうなのでなんとも言えませんが、黄金の90分の質には改善の余地がありそうです。
2.黄金の90分の質をあげるには
黄金の90分の質をあげるにはどうすればよいでしょうか。
【体温のコントロール】
体温には大まかに皮膚温度と体内の深部温度があり、覚醒時の深部温度は皮膚温度よりも2度ほど高く睡眠時は深部温度が0.3度ほど下がるため温度差は2度以下に縮まります。
皮膚温度と深部温度の差が縮まった時、入眠しやすいと考えられています。
2つの温度差を縮めるには、睡眠90分前の入浴がよいとされています。
深部温度は上がった分だけ大きく下がろうとするので、入浴で一旦深部温度を上げておくと入浴しない場合よりも大きく下がり温度差を縮めてくれます。
体の手足など毛細血管が発達している部分は熱放散により深部温度も含めた体温調節の役割を担っています。
手足を暖めて血行を良くすると熱放散が促され深部温度も下がりますので、忙しくて睡眠90分前の入浴ができない時は足湯で足を暖めることも効果的です。
冷え性などで足が冷たくて眠れないため靴下を履いたまま寝る人もいると思います。
靴下を履いて足を暖め血行をよくして熱放散を促すことは理にかなっていますが、履いたままだと熱放散の妨げになる可能性もあるため避けたほうがよいでしょう。
日頃からストレッチや足の指先のトレーニング(タオルギャザリングなど)で血行をよくするようにしましょう。
【脳のスイッチをオフにする】
当たり前ですが脳のスイッチをオフにすると入眠することができます。
脳のスイッチをオフにするとは何も考えないことですが、何も考えないことは難しいので、仕事のことは考えない、趣味や好きなことは考えても良いなど色々試してみるとよいかもしれません。
脳はパターンを好むので睡眠のルーティンを作り毎日実行することもよいでしょう。
個人的には高速道路の運転中、特に渋滞になるとほぼ毎回眠くなります。
専門的にはモノトナス(単調な状態)にすることは眠るための脳のスイッチだそうです。
3.まとめ
ビル・エバンスの代表作「ワルツ フォー デビー」はヘビーローテのレコードですがB面はほとんど聴いたことがなく、だいたいA面の途中で寝てしまいます。
但しソファの上で、レコードの針は送り溝で回りっぱなしですから入眠とは言えません。
スムーズな入眠のためのルーティンやスイッチ作りを意識していきたいと思います。
<参考資料>
スタンフォード式最高の睡眠 西野清治 サンマーク出版 2017年
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