血液型による免疫力ランキング -前編-


「血液型と免疫力」という本が発売されています。
とても興味深い内容でしたので、ご紹介したいと思います。

◆目次◆

1.血液型免疫力ランキング

2.血液型物質

3.血液型

4.免疫力と食べ物

1.血液型免疫力ランキング


1位 O型
2位 B型
3位 A型
4位 AB型

生まれ持った免疫力の差が、血液型によって決められていて、単純にいえば血液検査からも分かるそうです。
人間ドックを受診した日本人成人(5,000人を対象)の末梢血のリンパ球の割合を調べたところ、以下の通りでした。

O型・・・39%    B型・・・37%
A型・・・36%   AB型・・・34%

免疫システムの中心を担う細胞であるリンパ球が、多いほど免疫力が高く、少ないと免疫力が低くなるという差が考えられます。

2.血液型物質

血液型による免疫力の差において、もっとも重要となるのが、抗体です。抗体の数の差が、免疫力に大きな影響を与えています。
それぞれの血液型の人は、自分にない血液型物質に対する抗体をもっていて、血清中にあります。

赤血球のまわりには、糖鎖という血液型物質がついています。この糖鎖は血液型によって構造が異なります。そして、それぞれの血液型の人が自分の血液型物質とは反対の抗体をもっているそうです。

A型 → A型特有の血液型物質がある ⇒ 抗B抗体をもつ
B型 → B型特有の血液型物質がある ⇒ 抗A抗体をもつ
AB型 → A型B型両方の血液型物質をもつ ⇒ どちらももっていない
O型 → どちらももっていない ⇒ 抗A抗体、抗B抗体をもっている

2つの抗体をもつO型は、4つの血液型のなかでもっとも強い免疫力を生まれながら備えていることになり、免疫力ランキング1位になるのもうなずけます。

血液型物質は、地球上のあらゆる生命体に共有される遺伝物質です。当然ながら、細菌も寄生虫も、それぞれに血液型物質をもっています。
人間の体に細菌や寄生虫が入ってきたとしても、血液型物質に対抗する抗体をもっていれば、退治できるのです。

A型は抗B抗体も持つ → B型の血液型物質をもった細菌には感染しにくい
B型は抗A抗体をもつ → A型の血液型物質をもった細菌には感染しにくい
AB型はどちらももっていない → 感染症全般に弱い
O型はどちらももっている → A型物質・B型物質をもった細菌に感染しにくい

では、A型の人とB型の人を比べると、どうしてA型のほうが、免疫力が低いのでしょうか。
実は、微生物はA型のほうが数が多く、B型は少ないそうです。そのため、A型の微生物に対抗する抗A抗体をもたないA型の人は、感染症にかかりやすくなります。この差が、A型とB型の免疫力の差ともなり、さらにリンパ球の割合もB型の人の方が多いため、免疫力が高くなる要因になると考えられているそうです。

3.血液型

ABO式の血液型は、腸内細菌によってつくり出されたものと、著者は考えているそうです。
生物の腸には、人類が誕生するはるか以前から、多くの腸内細菌がすみつき、進化に大きな影響をおよぼしてきました。そんな腸内細菌は、A型物質をもつもの、B型物質をもつもの、O型(H型)物質のみのものなど、それぞれに血液型物質をもっています。

では、人類の血液型は、どのように派生していいたのでしょうか。
人類の直接の祖先となるホモ・サピエンスは、みんなO型だったと考えられます。そこからA型が生まれ、B型が誕生していきます。そして10世紀ごろにAB型の人類が現れたのです。

血液型の人口比は国によって異なります。

日本      →A型38%、O型31%、B型22%、AB型9%
アメリカ(白人)→A型41%、O型45%、B型10%、AB型4%
イギリス    →A型43%、O型46%、B型 8%、AB型3%
イタリア    →A型39%、O型44%、B型12%、AB型5%
ブラジル    →A型40%、O型47%、B型10%、AB型3%
オーストラリア →A型44%、O型39%、B型13%、AB型4%
タイ      →A型22%、O型39%、B型33%、AB型6%
フィリピン   →A型26%、O型45%、B型24%、AB型5%
韓国      →A型33%、O型27%、B型27%、AB型13%

血液型の人口分布には、地域によってかたよりがあります。その理由の一つに、感染症の流行があるのです。繰り返される病原性微生物との闘いが、人類の歴史に大きな変革をもたらし、また、血液型による性格的な違いを生み出してきたのです。

4.免疫力と食べ物


日ごろ食べている動物や植物にも、血液型物質があります。
牛はA型物質とB型物質の両方もち、豚はA型物質、羊はB型物質、クジラもB型物質だけです。
植物にも同じように血液型物質をもつものがあります。
ダイコンはO型物質ばかりで、ゴボウやハクサイ、キャベツ、リンゴ、シイタケなどもO型物質を持っています。
どんな食べ物が体に合うかを純粋に免疫血清学から分類すると、「A型の人は、抗B抗体を血清中にもっているから、B型物質を持っている食べ物とはあわない。B型の人は、抗A抗体をもっている食べ物とは合わない」ということになります。
体に合わない食べ物ばかりを食べていると、免疫力の低下が起こりやすくなるそうです。

また、食べ物に含まれる「レクチン」というタンパク質を食べると炎症が悪化することもあるそうです。レクチンは、「糖鎖を認識するタンパク質」のことで、血液型物質も糖鎖から成り立っています。つまり、食べ物に含まれるレクチンには、人の血液型を認識する物質が含まれているということになります。
たとえば、A型物質を認識するレクチンを含む食品をA型の人が食べると、そのレクチンが赤血球や腸、胃などのA型物質と結合します。レクチンが付着した細胞は免疫システムに異物と判断され、凝集反応を起こしやすいとのことです。
食べ物のなかには血液型によって「食べない方がよい」というものがあり、血液型ごとにレクチンの反応が異なることは、科学的にも、臨床の場でも、多くのところで実証されています。

ただし、これらがすべての人に当てはまるというものではありません。
体に合わない可能性があるということなので、免疫力を強くするという点において、毎日・毎食食べるようなことはしないほうがよいと考えられます。

後編へ続く

<参考文献>
「血液型と免疫力」 著:藤田紘一郎 宝島社新書

<関連コラム>
血液について勉強しよう
T細胞やNK細胞 ウイルスに勝つための強い味方
免疫のしくみを知ろう!
抗体と補体 ウイルスに勝つための小さな味方