血糖値は運動で安定する


最近、ジム通いは週に1回がやっと。
ちょっと運動不足です。

体の組成を調べると「運動不足の痩せ型」と診断されます。

約1,400万人の隠れ糖尿病、糖尿病予備軍には、若い人や痩せている人も多いそうでちょっと気になります。

でも大丈夫。
血糖値は運動で安定させることができそうです。

◆目次◆

1.糖尿病患者の血糖処理量は健康な人の半分

2.血糖の8割は骨格筋で処理される

3.骨格筋による血糖処理量が低下する原因

4.運動による血糖処理量の改善

5.エネルギー制限には注意が必要

6.糖質制限は効果なし?

7.まとめ

1.糖尿病患者の血糖処理量は健康な人の半分


糖尿病には1型と2型とがあります。
1型は先天的もしくは何らかの疾患が原因となってインシュリンが分泌不全になるケース、2型は肥満や運動不足などが原因となって生じるいわゆる生活習慣病です。

2型糖尿病患者の場合、血糖処理量が健康な人の半分程度まで落ち込みます。

2.糖質の8割は骨格筋で処理される

健康な人の場合、おおよそ8割以上の血糖が骨格筋で処理されます。
脳、内臓、脂肪の血糖処理量は、健康な人と2型糖尿病患者でほとんど差がありません。

2型糖尿病患者の血糖処理量が健康な人の半分なのは、骨格筋の血糖処理量が低下したためといえそうです。

3.骨格筋による血糖処理量が低下する原因


一つはメタボ健診でおなじみの内臓脂肪です。
肥大した内臓脂肪からは、アディボサイトカインと呼ばれる様々な物質が分泌され、これらが骨格筋に作用するとインシュリンの効き目が悪くなると考えられています。

もう一つは、第三の脂肪と言われる異所性脂肪です。
異所性脂肪とは、過剰なエネルギー摂取によって、骨格筋や肝臓など脂肪細胞以外の組織に蓄積された脂肪をいいます。
異所性脂肪やその分解物もインシュリンの効き目を悪くする原因と考えられています。

4.運動による血糖処理量の改善

運動によって、内臓脂肪や異所性脂肪を減少させ、アティボサイトカインなどインシュリンの効き目を悪くする物質の分泌を減少させると、骨格筋の血糖処理量が改善します。

それ以上に、運動による直接的な作用のほうが重要です。
運動(筋収縮運動)は、インシュリンの作用とは別の経路で血糖を細胞に取り込みます。
運動によるこのメカニズムは、2型糖尿病患者の場合でも正常に機能しています。

5.エネルギー制限には注意が必要


エネルギー摂取を抑えることによっても、インシュリンの作用を改善することができます。
但し、過度なエネルギー制限には注意が必要です。

ブドウ糖は、血液を通じて各細胞に運ばれ、体を動かすエネルギーとなります。
脳や神経組織、赤血球などは、通常、ブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。
このような組織では、血糖値が下がると機能も低下します。
特に脳は体重の2%程度の重さしかありませんが、基礎代謝の20%ものエネルギーを消費しています。

ブドウ糖が不足すると、数時間は肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されて血中にブドウ糖が供給されます。
また、体を構成するタンパク質や脂肪が分解され、アミノ酸など糖以外の栄養素からブドウ糖を合成する仕組みも体に備わっています。
これを合わせて糖新生といいます。

糖質は、通常では欠乏することはありません。
不足すると糖新生によって補われます。

但し、糖質の不足が長く続くと、タンパク質が過度に分解されて筋肉が減少したり、脂肪が過度に分解されて血中のケトン体が増加するケトン血症になり、嘔吐などが起こることもあります。

また、血糖値は低ければ低いほど良いわけではありません。
低血糖になると、動悸、ふるえ、汗をかく、口が渇く、めまい、たちくらみなどが起こりますし、脳や内臓が障害を受ける場合もあります。

6.糖質制限は効果なし?

最近はやりの糖質制限ダイエットは本当に効果があるのでしょうか。
体脂肪や体重の減少が、糖質制限によるものか、全体のエネルギー摂取量を制限したことによるものか、現時点では明確な違いが見当らないようです。

糖質制限による効果は、タンパク質からのエネルギー摂取を80%以上まで高めないと認められないそうで、これは大変厳しい食事環境と考えられます。
極端な栄養のアンバランスによって長期的な疾患リスクも懸念されそうです。

7.まとめ


「すべての人が、多すぎずまた少なすぎず、適切な量の栄養素を摂取し、適度の運動を行うことができれば、それはもっとも安全に健康を手に入れる方法となるだろう。」
~ヒポクラテス(医学の父)~

運動はとても大切です。
年齢が進むとだんだん体を動かすのが面倒になってきますが、意識して取組みたいと思います。

<参考資料>
スポーツ栄養学 寺田新 東京大学出版会 2017年
栄養素の通になる 上西一弘 女子栄養大学出版部 2016年
血糖値が下がるストレッチ 板倉弘重 比嘉一雄 宝島社 2019年

<参考ブログ>
血糖値スパイクって?