先日、同僚がジムで汗を流しお風呂に入ってリラックスした後、脳貧血になったそうです。体調が悪かったのか、どうしてそうなったか分からないそうです。また、上司は胃を切除したため貧血とのこと。理由は、鉄分は胃で吸収されるため、どうしても不足になるそうです。
貧血と脳貧血、どちらも血液に関係していると思うのですが、皆さんは違いが分かりますか?
◆目次◆
1.血液とは
2.貧血と脳貧血の違い
3.貧血・脳貧血にならないために
4.まとめ
1.血液とは

人間の体を流れている血液は、体重の約8%を占めています。血液は、赤血球、白血球、血小板の細胞成分(血球)と、血漿(プラズマ)と呼ばれる液体部分から成り立っています。血液全体のおよそ45%が細胞成分で、残り55%程度が血漿成分だそうです。
1-1 ヘモグロビン
細胞成分のひとつである、赤血球。細胞成分のうち約96%を占めており、その数は血液1μℓ中、成人男性で約500万個、成人女性で約450万個です。赤血球は骨髄で作られ、その寿命は約120日と言われています。
赤血球の中に、ヘモグロビン呼ばれる赤い色素を持つたんぱく質が含まれています。ヘモグロビンは、ヘム(※)という鉄を含んだ赤色素と、グロビン(※)というたんぱく質からできています。酸素分子と結合する性質を持っており、肺から全身へ酸素を運搬する役割を担っています。
※ヘム・・・2価の鉄原子とポルフィリンからなる錯体
グロビン・・・球状たんぱく質
1-2 鉄 原子番号26 元素記号Fe
ヘモグロビンの構成成分として重要である鉄。体内に鉄は3~4g含まれており、その約60~70%が血液中のヘモグロビンに、約4%は筋肉の赤い色素成分であるミオグロビンにあり、これらは「機能鉄」と言われています。残り約25%は肝臓や脾臓、骨髄にあり、機能鉄が不足すると使われるため、「貯蔵鉄(フェリチン)」と言われています。鉄は、酸素の運搬に重要な働きをするほか、二酸化炭素を回収、エネルギー生産に重要なATP(※)の生成に関与、酵素の材料としても重要な成分です。
また、鉄は、数多くあるミネラルの中でもとりわけ吸収されにくい栄養素と言われており、食事から摂取した鉄の体内吸収率は15%程度と考えられているそうです。ただし、この吸収率は、食品の種類や食品の量、どれだけ体が必要としているかなどの条件によって大きく異なるため、鉄の必要量はあくまでも推定値だそうです。
鉄はヘム鉄と非ヘム鉄があります。動物性食品に多く含まれる鉄はヘム鉄で、比較的吸収されやすい形になっています。非ヘム鉄は植物性食品に含まれていて、ヘム鉄に比べ吸収率が落ちるそうです。

※ATP・・・アデノシン三リン酸。「生体のエネルギー通貨」と言われるエネルギー代謝の中心的役割を果たしています。
2.貧血と脳貧血の違い

貧血は2種類あります。それが、「貧血」と「脳貧血」です。めまいや立ちくらみなどの症状は同じですが、この2つは全くの別物だそうです。
2-1 貧血
貧血とは、血液内で酸素を運ぶヘモグロビンの量が減少した状態を言います。ヘモグロビンが減ることで体内に酸素が運ばれなくなってしまい、酸欠になることで全身倦怠感や動悸、息切れ、めまい、顔面蒼白、食欲不振などのような症状が現れます。
貧血は、その原因によって以下のような種類があります。
・鉄欠乏性貧血
体内の鉄が不足することによって、ヘモグロビンの産生が不十分になるため。
貧血のほとんどがこの鉄欠乏性貧血です。
・再生不良性貧血
血液をつくる骨髄の機能が低下し、赤血球が十分に作られなくなるため。
・溶血性貧血
何らかの原因によって、産生された赤血球が通常の寿命(約120日)より早く壊れてしまうため。
・巨赤芽球性貧血
葉酸、ビタミンB12の欠乏が主な原因。赤血球の親である赤芽球の合成に障害が生じ、赤芽球が巨大化し、赤血球がうまく作られないため。また、巨赤芽球性貧血のうち、胃壁から分泌される内因子の欠乏によりビタミンB12の吸収が低下することから起こる貧血を悪性貧血といいます。
・腎性貧血
人工透析を受けている人や慢性腎不全、急性腎不全、ネフローゼ症候群などの腎疾患が原因で、腎臓から分泌される造血因子であるエリスロポエチンが減少し、赤血球の産生が低下するため。
・二次性貧血
続発性貧血、症候性貧血と呼ばれることもあります。主に、腎不全、慢性感染症(寄生虫感染症も含む)、膠原病、悪性腫瘍、肝疾患、内分泌疾患など、造血器疾患以外によって起こります。
一般的な貧血「鉄欠乏性貧血」は、鉄分不足の偏った食事や過度なダイエットで引き起こされることがあるほか、病気などによる出血でも起こります。また、体内に取り入れられた鉄は、胃酸の働きで吸収されやすい形になりますが、胃腸の障害があったり、胃切除を受けている人は鉄の吸収が低下するため、鉄欠乏性貧血になりやすいのです。
2-2 脳貧血
脳貧血とは、血液内のヘモグロビン量とは関係なく、脳の血液循環が悪くなって起こる機能障害のことで、医学的には一時的な血圧調整の問題であって、「貧血」ではないそうです。
脳貧血の多くは「起立性低血圧」です。座った姿勢、または横になっていた状態から急に立ち上がったりすることで、血圧が下がり脳に血液が運ばれなくなり、一時的に脳内の酸素が不足し、めまいや立ちくらみなど体がフラフラとしてしまいます。この時、健康な人であれば、血液の流れが急激に下に降りてくることが各神経に伝えられ、立ち上がった時に心拍数を増やしたり、下半身の血管を収縮させて血液の流れを上に押し上げようとすることで、血圧を安定させようとする機能が働きます。しかし、立ちくらみを起こしやすい人は、何らかの原因で、この伝達機能が正常に働かなくなってしまっていると考えられるそうです。
また、脳貧血の症状は、めまいや立ちくらみの他、生あくびや冷や汗、酷い時には意識を失うこともあります。
3.貧血・脳貧血にならないために

2つの異なる貧血。原因も違う為、予防対策もそれぞれあります。
3-1 貧血編
鉄欠乏性貧血の原因となるヘモグロビンの減少、鉄分を摂ることが大切です。
・鉄を多く含む食品を摂る
鉄はサプリメントからでも補給できますが、日頃から鉄を含む食事を心掛けてください。
動物性食品:豚・鶏レバー、赤身肉、貝類(シジミやアサリ)、煮干し、赤身の魚など
植物性食品:ほうれん草、大根の葉や小松菜などの青菜類、海藻類(のり)など
・たんぱく質を摂る
たんぱく質はヘモグロビンの材料となります。肉や魚、卵など良質なたんぱく質を食べましょう。
・ビタミンCを摂る
ビタミンCには鉄の吸収をよくする働きがあります。とくに非ヘム鉄(植物性食品)を摂取際は、ビタミンCを一緒に摂ってください。また、お酢や柑橘類は、胃液を分泌させて鉄の吸収を高める働きがあるそうです。
・ビタミンB2、B6、B12、葉酸を摂る
ビタミンB2、B6、B12、葉酸も赤血球にとって大切な栄養素です。いろいろな食品を1日3食バランスよく食べましょう。
・赤血球を増やす
赤血球を増やす方法の一つとして、高地トレーニングがあるそうです。高地のような酸素が薄い所では、血液中の酸素濃度も低下します。すると、身体はその状態を裂けるため、より多くの酸素を運搬しようと赤血球やヘモグロビンが増え、貧血が改善するようです。
3-2 脳貧血編
脳貧血は、全身の血液の循環を良くすることが大切となってきます。
・起き上がる時、立ち上がる時はゆっくりと
ゆっくりとした動作をすることで、血圧が急に低下するのを防ぎます。また、脳貧血は寝起きに起こりやすいので、目が覚めたら起き上がらずに伸びをしましょう。伸びをすることで全身の血流を促すことになります。
・足の筋肉を鍛える
脳貧血は足の筋肉が未発達な人に見られやすい傾向にあるそうです。第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎは、全身の血流を促す存在なので、ウォーキングやジョギング、自転車などで足の筋肉を鍛えてみてください。
・自律神経の乱れに気を付ける
起立性低血圧は、ストレスによる自律神経の乱れが原因で起こりやすい病気です。ストレスや睡眠不足、不規則な食生活などを見直しましょう。
・水分補給
血流を良くするために、こまめにしっかりと水分補給をしましょう。
4.まとめ

いかがでしたか?貧血は血液に原因があって、脳貧血は血液の循環(=血圧)が原因でした。似たような言葉でしたが、調べてみると別物だということが分かり、勉強になりました。
ところで、鉄分が足りていないと感じる方。調理する際、ちょっと重たいですが、鉄の鍋や鉄のフライパンを使ってみてください。料理に鉄が溶けだして、鉄の補給源になるそうですよ。※個人の意見ですが、鉄製品の調理器具は高くても国産を選んでいます。溶け出す鉄が安心安全なものか気になる方は、作っているメーカーなどこだわったほうがいいかもです。
