誰もが一度は飲んだことがあろう、鎮痛薬。
毒と薬は紙一重。というように、飲み過ぎによる弊害もあります。
◆目次◆
1.鎮痛薬とは
2.鎮痛薬の副作用
3.薬物乱用頭痛
4.まとめ
1.鎮痛薬とは
頭痛や歯痛、肩コリや生理痛など、日常生活で頻繁に起こる痛みに対処するために、鎮痛薬を服用している方は多いと思います。
鎮痛薬は、手軽に購入することができ、病院でも様々な疾患に対して幅広く処方されることもあり、私たちにとって最も馴染みのある薬といえます。
そんな鎮痛薬は、痛み始めたら我慢せずに早めに薬を飲むことを勧められます。
そもそも痛みというのは、体に起きた炎症を脳に伝えるための重要なサインです。
このサインを無視して痛みに耐え続けてしまうと、鎮痛薬が効きにくくなってしまったり、体に負担がかかってしまうこともあるそうです。
炎症が起こると体は痛みの元となるブラジキニンと痛みを強めるプロスタグランジンという物質を発生させます。
鎮痛薬はプロスタグランジンの発生を抑えてくれます。そのため、痛みの初期に我慢してプロスタグランジンが大量に発生してしまうと、その後に鎮痛薬を飲んでも、効果が出づらくなるおそれがあります。
=鎮痛薬に含まれる主な成分=
現在、市販の解熱鎮痛薬に使用されている成分には主に2種類あります。
アスピリン(アセチルサリチル酸)に代表される各種の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)と、NSAIDsに分類されないアセトアミノフェンです。
どのNSAIDsも、解熱鎮痛作用のメカニズムは基本的に同じで、痛みのもととなる物質プロスタグランジンを産生する酵素の働きをブロックします(アセトアミノフェンを除く)。NSAIDsには、アスピリン(アセチルサリチル酸)、イブプロフェン、ロキソプロフェンやエテンザミド、イソプロピルアンチピリン(IPA)などがあります。
また、こられの成分のうち15歳未満でも使えるのは、アセトアミノフェンとイソプロピルアンチピリンのみです。
=非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)=
〇アスピリン(アセチルサリチル酸)
元々柳の抽出物に由来する成分。
100年以上も解熱鎮痛薬として使用されてきた歴史がありますが、伝達物質(プロスタグランジン)の合成を抑制し、痛み、発熱、炎症に効果を発揮するメカニズムが解明されたのは1971年になってからだそうです。
〇イブプロフェン
解熱鎮痛薬としてだけでなく総合感冒薬へも配合されている、アスピリンに次いで歴史ある鎮痛成分です。
頭痛や生理痛の他に、かぜによる喉の痛みの緩和や解熱にも使用されており、解熱鎮痛薬としてだけでなく総合感冒薬への配合もされています。
他の鎮痛成分と比べて薬が子宮に移行しやすく、生理痛への効き目が期待できるとされます。小さな錠剤に製剤しやすいため飲みやすいのが特長です。
〇ロキソプロフェン
ロキソプロフェンの主成分は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」で、1986年に開発され、約30年後、医療用医薬品から一般用医薬品として発売されるようになりました。
ロキソニンとして知られるロキソプロフェンは、体内に吸収されてから活性型に代謝されるプロドラッグなので、服用した際の胃への負担は少ないとされますが、繰り返し服用すると胃障害が起こることがあり注意が必要です。
錠剤や液剤などの内服薬から、テープ、ゲル、ローションなどの外用薬まで、様々な形で発売されています。
〇エテンザミド
効き目がやさしく胃腸障害などの副作用が少ないのが特徴で、単独で使用されることは少なく、多くの場合、他の解熱鎮痛成分と共に用いられます。
〇イソプロピルアンチピリン(IPA)
市販の薬では他の解熱鎮痛成分と配合されています。
ピリン系の薬剤で、人によっては「ピリン疹」といわれる発疹が出ることがあります。そのため、アレルギー体質の方や過去ピリン疹が出たことのある人は、必ず薬剤師等に相談をして薬を選びましょう。
=アセトアミノフェン=
アセトアミノフェンには鎮痛・解熱作用がありますが、抗炎症作用はほとんどない為、NSAIDsには分類されていません。子供や妊婦・授乳中の女性にも使われている成分で、医師の判断の元では0歳児から使用可能だそうです。
アセトアミノフェンは、安全性が高いとされていますが、肝臓が悪い方は肝機能を悪化させるおそれがあるため、医師または薬剤師に相談をしましょう。
安全性が高い=誰でも安全に使えることを保証するものではありません。
2.鎮痛薬の副作用
鎮痛薬を飲む量やタイミングは、販売に至るまでの臨床試験で安全かつ効果が認められる範囲で決定されます。
痛みが激しいからといって、自己判断で通常の指示量より多く飲んだり、服用間隔を空けずに飲むのは大変危険です。効果より副作用のリスクが上回り、次のような副作用が顕著に現れる可能性があります。
・消化器症状
NSAIDsに分類される鎮痛薬の代表的な副作用として、消化器症状があります。症状としては、食欲不振、胃もたれ、腹痛などがあります。ひどい場合には、胃腸に激痛が起こり、胃炎、胃潰瘍などの消化性潰瘍を引き起こすこともあります。特に、胃腸がもともと弱い方やすでに胃腸に潰瘍がある方は、服用を控えるようにしましょう。
そのため、鎮痛薬の服用は、空腹時を避ける指示があったり、痛み止めが処方される多くの場合、胃の粘膜を保護する薬が合わせて処方されます。市販薬にも、胃の粘膜を保護する成分が配合されている薬もありますので、確認してみましょう。
そのほかにも、薬に対するアレルギー症状をはじめ、腎不全、うっ血性心不全、消化性出血、肝臓の機能障害、喘息発作、髄膜炎、再生不良性貧血、薬物乱用頭痛などの副作用症状が起こる可能性もあります。
3.薬物乱用頭痛
鎮痛薬を飲んで、かえって頭痛が起きてしまうことがあります。
「薬の使い過ぎによる頭痛」と言われていますが、1ヶ月に10日以上頭痛薬を使い続けている状態が3ヶ月以上を超えると、薬の使い過ぎによるリスクが高まるといわれています。使用しているうちに痛みに対して神経が敏感になり、弱い痛みでも強い痛みとして感じてしまうようになってしまうのです。
そうならないためにも、鎮痛薬は、「用法用量を守って月に10日まで」と覚えておきましょう。また、市販薬を飲んでも効果がない場合は、生活習慣を見直す必要や、別の病気が見つかる可能性があります。自己判断で薬を増やすのではなく、その場合は医師などに相談しましょう。
4.まとめ
鎮痛薬を飲み過ぎによる頭痛。
日頃から鎮痛薬を飲んでいる人は、スケジュール帳やカレンダーに、鎮痛剤を飲んだ日を記入し、自分がどれくらい服用しているか把握してみましょう。
<関連コラム>
片頭痛と女性ホルモン
市販薬、正しく使用していますか?
