食物繊維の賢い摂り方

食物繊維はとても大切です。
第6の栄養素ともいわれますが、栄養価はほぼゼロで「外界から摂取して代謝する」という定義に従えば栄養素でないことになります。
ところがほかの栄養素の吸収をゆるやかにすることなどで私たちの健康に深く関与しています。
「とりあえず野菜食べておこう」だけではなくもう少し考えてみます。

◆目次◆

1.食物繊維の効果

2.食物繊維の摂取量を増やすと

3.食物繊維の摂り方を工夫すると

4.まとめ

1.食物繊維の効果


食物繊維の栄養価はほぼゼロですが、消化・吸収されず大腸に到達した食物繊維は腸内細菌によって短鎖脂肪酸やメタンガス、水素などに分解され1gで0~2キロカロリーのエネルギーを産生すると考えられています。
また、食物繊維の摂取が少ないと腸内の疾患リスクが上がるという説が広く知られるようになっています。
食物繊維は糖の吸収速度をゆるやかにすることで血糖値の上昇速度もゆるやかにして食後の高血糖を防いでくれます。
このため糖尿病の予防効果や治療効果が期待されています。

2.食物繊維の摂取量を増やすと


糖尿病の食事療法において食物繊維を増やしたら病状は改善するかを検討した研究によると、効果が著しかったとまではいえませんが、全体として食物繊維の積極的な摂取が糖尿病患者において食事療法の一助になりえるといえるそうです。
尚、この際の食物繊維摂取増加量は1日あたり15gで平均的摂取量の約2倍となりますからかなりな量です。

3.食物繊維の摂り方を工夫すると


食物摂取が糖の吸収速度をゆるやかにすることで血糖値の上昇速度を緩和し、糖尿病の改善に役立つのであれば、糖を食べた時に同時に食物繊維を食べることが大切なはずで、食物繊維単独でその摂取量を増やしても効果があまり期待されないと考えられます。
食物繊維の三大摂取源は野菜、穀物、果物です。
この中で糖を含む食物は穀物と果物及び芋類で、一部の根菜を除くと野菜には糖がほとんど含まれず最大摂取源は穀物です。
健康的な人たちの食習慣を調べその後糖尿病にかかりやすかったどうかを観察した研究結果によると、穀物から食物繊維を多く摂取した人たちに糖尿病の予防効果がみられますが、野菜や果物から食物繊維を多く摂取した人たちには予防効果はほとんどみられなかったそうです。

4.まとめ


(糖質制限ダイエットなどで)過度に穀物を避けたり、(●●ダイエットなどで)食物繊維だけを単品で摂るのではなく、食物繊維が豊富な穀物(代表格は玄米)を選び、野菜など副菜をたっぷり摂るバランスの良い食事を心がけることが大切といえそうです。
糖と食物繊維を同時に摂取することが大事ですから、ご飯とおかずを交互にバランスよく食べることは子供のころからよく言われていましたが改めて大切と思いました。
<参考資料>
栄養データはこう読む! 佐々木敏 女子栄養大学出版部 2020年(第2版)
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