エンプティカロリーにご注意!体に良い食べ合わせとは。


エンプティカロリー(empty calorie:空っぽのカロリー)という言葉をご存じですか。
エネルギーはあるけれども健康を維持するため必要な栄養素をほとんど含まない食物や飲料のことを表す言葉です。

ダブルバードン(double burden:二重負荷)という言葉もあります。
栄養素の欠乏や感染症など開発途上国に多い病気と高血圧や肥満といった先進国に多い病気が一つの集団で同時に起こる現象を言います。

私たちの周りには豊かな食文化が形成されあらゆる食べ物があふれています。一方、食生活の乱れや過度で極端なダイエットによって誰もがエンプティカロリーやダブルバードンに陥る可能性もあるのではないでしょうか。

そこで、体に良い食材や食べ合わせについておさらいしてみました。

◆目次◆

1.5大栄養素

2.その他の栄養成分

3.食材や食べ合わせ

3-1 塩分の摂り過ぎにはカリウム

3-2 糖分の摂り過ぎにはビタミンB1

3-3 脂質の摂り過ぎにはビタミンB2

4.まとめ

1.5大栄養素


先ずは5大栄養素についておさらいしましょう。
5大栄養素とは、エネルギーとなるタンパク質、脂質、糖質にビタミンとミネラルを加えたものです。健康を維持するため欠かすことができない栄養素でバランス良く摂ることが大切です。
● タンパク質
約20種類のアミノ酸から構成され、なかでも必須アミノ酸9種類を多く含むほど良質なタンパク質とされています。
タンパク質からは、筋肉や内臓、酵素やホルモン、脳神経の伝達物質などがつくられます。
● 脂質
脂質はもっともエネルギーが高く、血液や細胞膜、ホルモンなどをつくる、体温を保つなど大切な働きがあります。
● 糖質
果物や穀物に多く含まれ、体内でブドウ糖や果糖などに分解されエネルギーとなります。特に脳のエネルギーは糖質で賄われます。
・ビタミン
タンパク質、脂質、糖質の働きを助け、体の機能を正常に働かせる有機化合物です。
● ミネラル
ナトリウム(塩分)、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などビタミン以外で体の調子を整える働きをもつ栄養素です。体内でつくられないため食事から摂ることが必要です。

2.その他の栄養成分


5大栄養素のほかにも体に役立つ栄養成分があります。
● 食物繊維
食物繊維は体内で消化されない難消化成分で便秘の改善や肥満防止などに役立ちます。ただし、摂り過ぎるとカルシウムや鉄などの吸収を妨げてしまいます。
● 機能性成分
免疫力を高め生活習慣病を予防する働きを持つ成分を機能性成分と言います。
βカロテン : かぼちゃなど緑黄色野菜。抗酸化作用
リコピン : トマトやすいか。βカロテン2倍の抗酸化作用。美肌効果
硫化アリル :ネギやにんにく。抗酸化作用と殺菌作用。がん、動脈硬化予防
アントシアニン : ブルーベリーやいちご。抗酸化作用。視力回復
ルチン : そばやトマト。抗酸化作用。血管をしなやかに
ムチン : さといもやオクラ。消化器の粘膜保護。タンパク質の吸収促進
タウリン : いかやたこ、貝類。コレステロール低下。高血圧予防
DHA、DPA : 魚類。コレステロール低下。生活習慣病の予防

3.食材や食べ合わせ


それでは、体に良い食材や食べ合わせを見ていきましょう。

3-1 塩分の摂り過ぎにはカリウム

塩分の取り過ぎは高血圧など様々な疾病につながります。ここでは摂り過ぎた塩分の排出を促すカリウムに着目してみます。
カリウムは、野菜や果物、海藻などに豊富に含まれるミネラルです。
じゃがいもはカリウムの王様とも言われ、アボカド、ひじきなどもカリウムを豊富に含んでいます。
インスタント味噌汁に野菜や海藻などを加える、刺身のツマを残さないなど、塩分が気になる時にカリウムを意識して摂ると良いでしょう。
但し、野菜などに含まれる食物繊維は、カルシウム、マグネシウム、鉄などの吸収を妨げ、便秘の症状によっては腸を刺激しすぎて逆効果となる場合もあるので摂り過ぎには注意が必要です。

3-2 糖分の摂り過ぎにはビタミンB1

糖分の摂り過ぎは糖尿病などの原因となります。糖尿病は糖分の摂り過ぎや運動不足などによるインスリンの不足、機能低下が原因とされる現代病です。食生活や生活習慣など様々な要因で起こりますがここではビタミンB1に着目してみます。
ビタミンB1は糖質のエネルギー変換(ブドウ糖や果糖への分解)を促します。
糖質は大切な栄養素ですのでビタミンB1によって効率良く分解・利用して過度な摂取を抑さえましょう。ビタミンB1には疲労回復効果もあります。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、ウナギ、タイ、タラコ、玄米、落花生、カシューナッツ、えのきたけ、豆類、大豆製品などに含まれています。
例えば枝豆はビタミンB1を豊富に含み必須アミノ酸メチオニンが肝機能をサポートしてくれますので「ビールに枝豆」は理にかなった組み合わせです。
但し、気を付けたい食べ合わせもあります。
エビやカニ、シジミ、ハマグリなどに含まれるアノイリナーゼという酵素はビタミンB1を破壊してしまいます。アノイリナーゼは加熱したりお酢を加えるとその破壊作用が抑制されるので調理方法も気を付けると良いでしょう。

3-3 脂質の摂り過ぎにはビタミンB2

脂質、例えばコレステロールは副腎皮質ホルモンの材料であり、骨をつくるために重要なビタミンDの前駆体であり、胆汁酸の原料であり、お肌の保湿にも関わる大切な物質です。中でも細胞膜の強化という役割は非常に大切で摂り過ぎも不足も良くありません。
ここでは脂質の摂り過ぎを前提にその代謝を促進するビタミンB2に着目してみます。
ビタミンB2はほぼすべての動植物に含まれ、脂質のほかタンパク質、糖質の代謝も促し、納豆やレバーなどに豊富に含まれています。
焼き肉やステーキなど肉料理の付け合せにはブロッコリー、さやいんげん、しいたけ、しめじなどビタミンB2を豊富に含む食材がお奨めです。
また、脂質を構成する脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、肉類などに多い飽和脂肪酸は肥満やコレステロール増加の原因にもなり得ます。
魚などに多く含まれるDHA,EPAは不飽和脂肪酸で中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります。タンパク質の補給だけを考えれば肉よりも魚ですね。

4.まとめ

食事は私たちの生活の基礎中の基礎です。
食文化が豊かになり食にまつわる情報も増えたことは良いとして、いったい何を食べれば良いか混乱してしまう人もいるのではないでしょうか(私もその一人です)。
本コラムで示した良い食材や食べ合わせはほんの一例にすぎませんが、少し意識するだけで日々の食事に取り入れられそうなもの(コンビニで買えそうなもの)をピックアップしてみました。

良い食材や食べ合わせはこれからも注目していきます。
またいずれかの機会に!

<参考資料>
佐々木敏 データ栄養学のすすめ 女子栄養大学出版部 2018年
白鳥早奈英 やってはいけない「食べ合わせ」 青春出版社 2015年
三浦利代 永山久夫 からだによく効く食材&食べ合わせ手帳 株式会社池田書店

<参考コラム>
「宇宙からやってきたアミノ酸!? ~アミノ酸を知ろう~」
「とても大切なビタミンの話 前編」
「とても大切なビタミンの話 後編」