癌(がん)のこと、どのくらい知っていますか?

がんは、日本人の死因の第1位です。しかし、医療の進歩によって、がんは治せる病気になりつつあります。また、多くのがんは、食事や運動など気を付けることによって予防もできます。

◆目次◆

1.癌(がん)とは

2.癌(がん)とたばこ

3.癌(がん)と予防

4.日本人と癌(がん)

5.まとめ

1.癌(がん)とは


悪性腫瘍。
ヒトの体は約60兆個の細胞が集まってできています。その細胞に何らかの異常が起きて、増え続けていくようになったものが、いわゆる癌(がん)です。

=がん細胞発生=
ヒトの体を構成している細胞は、分裂・増殖と、細胞死(アポトーシス)※を繰り返しています。
自分の正常な細胞が細胞分裂を繰り返すうちに、どこかで遺伝子のコピーミス(突然変異)が起き、異常な細胞ができることがあります。この遺伝子のコピーミスは、自然に、あるいは放射線や紫外線、発がん物質などが原因となり、健康な人でも1日約5,000個のコピーミスが起きているといわれています。多くの場合、アポトーシスなどで修復されますが、修復されずに残った細胞ががん細胞となります。

※細胞死(アポトーシス)・・・体全体を良い状態に維持するため、不要な細胞の計画的(予定・プログラム)自殺のこと。

=がん細胞からがん発症へ=
コピーミスの修復から逃れた細胞が、増殖をはじめたとき、体内の免疫細胞がそれを見つけ排除します。それでも退治できないがん細胞は、悪性度を強めながら増殖し続け、長い年月をかけて“がん”を発症することになります。

=正常な細胞とがん細胞の違い=
正常な細胞は、体の状態に応じて増殖や停止をしますが、(例:皮膚の細胞は、ケガをすると傷口をふさごうとして増殖し、傷が治れば増殖を停止します。)がん細胞は体からの命令を無視して増え続けます。

=治療=
がんの主な治療方法には、手術療法、放射線療法、抗がん剤による治療(化学療法)があります。これらを組み合わせて、患者それぞれに合った治療が行われています。
さらに、治療と同時に緩和ケアを行うことで、がんに伴う痛みや辛さを抑え、患者さんの負担を軽くすることができます。
また、近年、第4の治療法として“がん免疫療法”の研究が進んでいるそうです。免疫ががんを攻撃するしくみを利用する治療方法で、放射線や抗がん剤と違いがん細胞だけを狙うため、体の正常な組織を傷つけにくいのが大きな利点です。

2.癌(がん)とたばこ

たばこの煙には約4,000種類の化学物質が含まれており、その中の約60種類は発がん物質です。喫煙は、肺がんをはじめとする、様々ながんの原因であることが研究によってはっきりと分かっています。また、他人が吸うたばこの煙を吸ってしまう受動喫煙で、肺がんになる危険性が高まることも分かっています。

たばこを吸う男性ががんで死亡する危険性は、吸わない人と比べると、がん全体で2.0倍
口腔・咽頭がん  2.7倍
喉頭がん     5.5倍
食道がん     3.4倍
肺がん      4.8倍
肝臓がん     1.8倍
胃がん      1.5倍
すい臓がん    1.6倍
膀胱などのがん  5.4倍
骨髄性白血病   1.5倍
※出典:独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター

3.癌(がん)と予防

がんは、たばこやお酒、食事など、日常の生活習慣と関りが深い病気です。生活習慣を改善することによって、将来がんになる危険性を、低くすることができます。
バランスのとれた食事や、定期的な運動などを生活に取り入れて、がんを予防しましょう。
(1)食事はバランスよく
●塩分を摂り過ぎない
1日の塩分摂取量は、8g未満を目安にしましょう。特に、塩分を多く含む食品を食べるのは、週1回以内にしましょう。

塩分を多く含む食品の例

食   品  塩分量(g)

うめぼし(1個/10g)  2.2
たくあん(30g)  1.2
調

 しょうゆ(大さじ1)  2.6
みそ(大さじ2)  2.2
ウスターソース(大さじ3)  1.5







 ピザ(Mサイズ1ピース)  1.1
ミートソーススパゲティ  2.7
五目ちらし(1人分)  3.2
親子丼(1人分)  3.8
きつねうどん(1人分)  5.4
カップラーメン(1個)  5.1
カップ焼きそば(1個)  5.6
ハンバーガー(1個)  1.5
カレーライス  2.5~4.4

出典:食成分表2014 毎日の食事のカロリーガイド5訂増補 塩分早わかり(女子栄養大学出版部)

●野菜・果物不足
1日に野菜、果物を400gを目安に食べましょう。
野菜の重さ目安:ブロッコリー1切れ(75g)、トマト1個(125g)、きゅうり1本(100g)、キャベツの葉1枚(70g)
●熱すぎる飲食物は冷ましてから食べましょう。

(2)適度な運動
運動不足にならないようにしましょう。
子供の頃から運動の習慣を身につけて、大人になっても運動を続けることが大切です。

(3)お酒の量
お酒は1日あたりの適量を守り、飲み過ぎないようにしましょう。飲まない人、飲めない人は無理に飲んではいけません。
1日あたりの飲酒の適量

種   類  適量(目安)
日本酒 1合(180ml)
ビール 大びん1本(633ml)
焼酎や泡盛 1合の2/3(120ml)
ウイスキーやブランデー ダブル1杯(60ml)
ワイン ボトル1/3程度(240ml)

4.日本人と癌(がん)

日本人40歳代から80歳代までのすべての年齢で、がんが死亡原因の第1位です。(厚生労働省「平成29年人口動態統計」)
がん細胞が増えて病気のがんになるまでには、長い年月がかかります。そのため、長生きをすればするほど、がんになることが多くなります。

日本人に多いがんの種類
1位 大腸
2位 胃
3位 肺
4位 乳(女性)
5位 前立腺(男性)

男女別では、男性の1位は胃がん、女性の1位は乳がんです。
大腸がんや乳がんなど、欧米に多かったがんの割合が、近年増えています。これは、日本人の食事などの生活習慣が、変化したからだと考えられています。

5.まとめ

がん細胞を攻撃してくれる免疫細胞。
日ごろの生活が自己免疫の強さのカギを握っているといっても過言ではありません。
暴飲暴食、運動不足の方は、これを機に生活習慣を見直してみませんか?

<関連コラム>
たばこの影響について考える