免疫機能をおさらいしょう(B細胞による抗体産生)

前回は樹状細胞の抗原提示によって獲得免疫が始動して活性化したヘルパーT細胞が食細胞をパワーアップするところまでみてきました。
今回はヘルパーT細胞の助けを借りるなどしてB細胞が抗体をつくるところです。

◆目次◆

1.B細胞の活性化

2.B細胞による抗体産生

3.抗体

4.抗体はどう戦うか

5.まとめ

1.B細胞の活性化

B細胞は骨髄で成熟する免疫細胞で主にリンパ節にいます。
リンパ節には細菌やウイルスあるいはその死骸が絶えず流れ着いてきます。
抗原にまだ出会っていないナイーブB細胞は表面の抗原認識受容体にぴったりとくっつく抗原を細胞内に引きずり込んで食べてしまいます。
B細胞の抗原認識受容体はそれぞれ異なり種類は1,000億以上もあるといわれているため抗原に適合する抗原認識受容体が存在する可能性がとても高く、一方で自己の細胞に合う受容体はほとんどないことが安全装置になっています。
但し、同じ形状のものは100個ほどしかないそうです。
どんな抗原にも対応できるように1,000億種類以上が用意され、自己成分に対応するものがほとんどないのはT細胞の抗原認識受容体と同じです。
抗原を食べたB細胞は抗原をペプチド(アミノ酸が2個以上つながった物質)に分解して抗原提示をします。
抗原提示する相手は樹状細胞によって活性化したけれど細菌やウイルスの侵入現場に向かわずリンパ節に残った活性化ヘルパーT細胞です。
抗原を食べてある程度活性化したB細胞の表面には「MHCクラスⅡ+抗原のペプチド」が提示されていて、ここに同じ細菌やウイルスのペプチドで活性化したヘルパーT細胞が結合するとB細胞は活性化します。
B細胞が活性化するためには①ヘルパーT細胞の抗原認識受容体がB細胞のMHCクラスⅡ+ペプチドにぴったり結合すること②補助刺激分子が結合すること③ヘルパーT細胞がサイトカインを放出しB細胞がそれを浴びることの3つが必要です。

2.B細胞による抗体産生

活性化したB細胞は増殖をはじめ、抗体を産生するプラズマ細胞、記憶B細胞、リンパ節内の杯中心を形成するものに分かれていきます。
杯中心を形成する活性化B細胞は突然変異、抗原の取込、ヘルパーT細胞との相互作用といった過程(親和性成熟といいます)を繰り返して、親和性(抗原との結合度合い)が高いもの上位3割ほどが生き残って、その中でも親和性が高いものがプラズマ細胞に親和性が低いものが記憶B細胞に分かれていきます。
親和性が中程度のものは親和性熟成の過程を繰り返します。
プラズマ細胞の多くは骨髄に移動して大量の抗体をつくりからだ中に放出します。

3.抗体

抗体(Ig)はY字型構造をしていて、主にMクラス(IgM)とGクラス(IgG)に分類されます。
ナイーブB細胞の細胞膜にも抗体は発現していますが放出されることはなくそのクラスはMクラス、プラズマ細胞の抗体はGクラスです。
B細胞が活性化の過程を経てクラスがMからGに変わることを「クラススイッチ」といいます。
ヘルパーT細胞と出会って活性化した後すぐにできたプラズマ細胞の抗体はIgM型で寿命が短く、杯中心で親和性成熟を経てできたプラズマ細胞の抗体はIgG型で長寿命かつ抗体としても強力です。

4.抗体はどう戦うか

抗体は主に次の2通りの方法で細菌やウイルスと戦います。
〇中和
細菌などがまき散らす毒素は抗体が結合することによって中和されます。
この結合してできたものは最終的に食細胞が食べてしまいます。
ウイルスは細胞に侵入して増殖しようとしますが、抗体が結合すると細胞に侵入することができなくなってしまい最終的に食細胞が食べて処理してくれます。
〇オプソニン化
細菌やウイルスなどの侵入現場では食細胞が活性化ヘルパーT細胞の助けを借りてパワーアップしています。
ここに抗体がやってきて抗原と結合して食細胞の食欲をさらにそそることをオプソニン化といいます。

5.まとめ

B細胞、抗体だけでも強力な武器ですがウイルスに感染した細胞には無力です。
これに立ち向かうのがキラーT細胞です。
<参考資料>
新しい免疫入門 第2版 審良静男 黒崎知博 村上正晃 講談社 2024年
<関連コラム>
免疫機能をおさらいしよう(樹状細胞による獲得免疫の始動)
免疫機能をおさらいしよう(食細胞による最前線の防御)
血液型による免疫力ランキング -後編-
血液型による免疫力ランキング -前編-
音楽を聴いて免疫力をアップしよう!
免疫力がアップする食品!
免疫と予防対策
免疫のしくみを知ろう!