脂質起動(その2)


エネルギー源を糖質から脂質中心に切換えると、疲れにくく太りにくい、病気になりにくいからだに生まれ変わります。
前回はエネルギー源を脂質中心に切換える「脂質起動」についての概要でした。
今回は脂質起動がもたらすメカニズムをさらに詳しく見ていきます。

◆目次◆

1.ベジファーストからオイルファーストへ

2.GIP(インクレチン)の働き

3.最初はたんぱく質でもOK

4.まとめ

1.ベジファーストからオイルファーストへ

ベジファーストは食物繊維を先に摂ることで血糖値の上昇を緩やかにして、食後高血糖の抑制を期待する食べ方です。
「日本人の食事摂取」2020年版では推奨された食べ方でしたが2025年版ではこの記述が無くなり実はベジファーストの効果は食物繊維よりもドレッシングに含まれている脂質によるものである可能性が高いと考えられるようになりました。
脂質を摂ると小腸からGIP(グルコース依存性インシュリン分泌刺激ポリペプチド。GLP-1と総称してインクレチンともいう)という、インシュリンの分泌を促すホルモンが分泌され、血糖値の上昇や食欲を抑制してくれます。
ただし食物繊維は、大腸で腸内細菌によって代謝(発酵)され短鎖脂肪酸を産生します。
短鎖脂肪酸は小腸から大腸に分布するL細胞を刺激して前述のGIPと同様の働きをするGLP-1の分泌を促します。
腸内細菌による発酵はゆっくりで即効性はありませんが食物繊維も食後高血糖の防止や食を抑えることに貢献していると考えられています。

2.GIP(インクレチン)の働き

脂質を摂ると分泌されるGIP(インクレチン)はすい臓に働きかけてインシュリンの分泌を促してくれます。
インシュリンが適切なタイミングで速やかに分泌されると、その後糖質を摂っても血糖値の上昇を最小限に留めてくれるので食後高血糖を回避して糖質疲労を防ぐことができます。
また、結果的にインシュリンの分泌量も減らすことができるため、インシュリンのもう一つの役割である脂肪合成も限定的となりダイエット効果も期待できます。
さらに、GIPは直接あるいは「レプチン」という食欲を抑制するホルモンの分泌を促してくれますので食欲を抑制して食べすぎを防いでくれます。

3.最初はたんぱく質でもOK

最初に食べるのはたんぱく質でもよく、たんぱく質にも脂質同様にインクレチンの分泌を促す働きがあります。
たんぱく質を摂ると分泌が促進されるインクレチンはGIPではなくGLP-1です。
食物繊維の代謝物である短鎖脂肪酸が分泌を促すGLP-1は遅効性であるのに対し、たんぱく質によるGLP-1の分泌には即効性があり、脂質同様に食後高血糖の回避や食欲の抑制が期待できます。

4.まとめ

脂質を摂ることの大切さが更に理解できました。
<参考資料>
脂質起動 山田悟 サンマーク出版 2025年
<関連コラム>
脂質起動(その1)
脂質、脂肪酸の話(その2)
脂質、脂肪酸の話(その1)
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