髪の健康は頭皮の血行から!吉宗のハーブで頭皮の血行改善。


「最近、髪がしっかりしてきていますね。」
10年来、髪のカットをお願いしているスタイリストさんが、私の頭を覗き込みながらこう言いました。
「新しいケアを始めたり、生活習慣、変わったりしました?」
思い当たる事がなく、あるとすれば知人から勧められたサプリメントを飲んだくらいで、その主成分はヒュウガトウキ、ヒュウガはおそらく宮崎県周辺の日向の国を、トウキは当帰というハーブ(薬草)を表しているのでしょう。
調べて見ると、トウキ(当帰)には血行を改善する効果があり、髪の健康は頭皮の良し悪しに左右されることから、頭皮の血行改善が要因かなと結論づけました。
(髪や頭皮については「髪の毛のことをおさらいしよう! 」も参考にしてみて下さい)
そんな折、8代将軍・徳川吉宗(暴れん坊将軍)が健康オタクでハーブ栽培にも熱心だった事を知りました。

◆目次◆

1.トウキについて

2.吉宗とハーブ

3.日向の国とヒュウガトウキ

4.まとめ

1.トウキについて

ハーブ2
トウキは、東洋医学では婦人科疾患に欠かせないハーブとされています。
中国の民話に、ある女性が病気がちなため夫に離縁されてしまったところ、当帰の根を食べ元気になり、無事夫とも復縁がかない「当に夫の基へ帰る」、当帰と名付けられたそうです。
効果としては、大脳皮質の鎮静作用、解熱作用、血圧降下、抹消血管拡張、消炎作用、毛細血管の透過性抑制、皮膚過敏抗体の産生抑制などが報告されており、体を温め、血行を良くし、便秘にも良いとされています。
頭皮の血行改善効果や、主に女性向けの効果が期待されていることから、髪の毛は女性ホルモン、と何か関係があるのかもしれません。
なお、女性ホルモンについては「女性ホルモンのバランスを整えて、美と健康を手に入れよう」も参考にしてみて下さい。

2.吉宗とハーブ

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徳川吉宗は、徳川御三家の一角、紀州徳川家の四男に生まれ、本来、紀州藩主にすらなれなかったのですが、親兄弟の早死によって5代紀州藩主となりました。
その後、徳川宗家でも早死にが相次いだため、とうとう8代将軍に就任することになりました。
この時期、社会は戦国時代の高度成長期から低成長期に移行しており、幕府の財政も悪化していました。吉宗は、将軍就任後、享保の改革を断行しました。
この改革は、増税と緊縮財政による財政立直しと、セットでの公共投資や福祉充実などによる経済の活性化、社会の安定化を目指すものでした。
改革による増税は、幕府の財政立て直しに寄与しましたが、庶民の暮らしを直撃、農民一揆が頻発し、庶民の暮らしや文化の停滞を招いたとも言われています。
吉宗は、藩財政立直しの一環として、高麗人参など高価な輸入品の代りとなる国産ハーブの栽培を奨励しました。また、以前からハーブの栽培・研究が行われていた小石川薬園(現在の小石川植物園)を拡張しました。
トウキも全国の藩で栽培が推奨されたハーブでした。
因みに、吉宗は法制度の整備も推進し、その一つが市中に置かれた目安箱でした。
ある時、赤ヒゲ先生のモデルとされる小川笙船(しょうせん)先生が貧困者や身寄りのない人のための施設を開設すべきとの意見書を目安箱に入れ、これが採用されて、無償の医療施設が小石川薬園に併設されたそうです。

3.日向の国とヒュウガトウキ

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日向の国は、もともと九州の南半分を指し、ここから薩摩などが分離しました。戦国時代、伊藤氏、大友氏、島津氏など南北からの侵入者による陣取り合戦の地となり、その後、延岡藩、鹿児島藩、佐土原藩、高鍋藩など小藩とその支藩により統治されました。
さてヒュウガトウキですが、そのものズバリの文献を見つけることはできませんでしたので、ここからは想像をふくらませて・・・
トウキは、17世紀ごろから京都や奈良でさかんに栽培され、奈良産の大深当帰や北海道産の北海当帰などがあります。奈良産の大深当帰が高級品とされていましたが、現在では以前の栽培によるものはほぼ絶滅状態だそうです。上方のブランド品といったところでしょうか。
一方、各地には自生のトウキがあり、栽培ものよりも栄養成分が豊富と言われていたようです。
薩摩(もともと日向の国ですね)など九州諸藩は、情報統制が厳しく、上方との信頼関係も薄かったと考えられることから、「日向には非常に良いトウキがある。でも上方には黙っておこう。召し上げられてしまうから。」としたのかもしれません。
くだんのヒュウガトウキは薩摩藩秘伝の薬草とも言われていたそうです。

4.まとめ

ハーブ6
時代や立場は異なっても、人々の健康を願う気持ちに変わりはないと思いました。
情報の拡散スピードは格段に上がりましたが、同時に情報の均一化も進んでいると思います。まだ知られていない良いものと巡り会う可能性がある方がワクワクしませんか。
因みに、保守的な私は、ネットやテレビで絶賛された一見の飲食店に入ることはまずありませんが、友人や知人に勧められた場合、有名店でなくても一度は行きます。高い確率で良い店と巡り会うことができるからです。友人が私の嗜好を知っているからでしょうか。

<参考資料>
岡鐵雄 薬草つれづれ草 さきたま出版会 2015年
大石学 徳川吉宗「日本社会の文明化を進めた将軍」 山川出版社 2012年
共著 宮崎県の歴史 山川出版社 1999年
小石川植物園ウェブサイトhttps://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/