免疫のしくみを知ろう!


私たちは進化の過程で外敵から体を守る機能を身に付けてきました。免疫です。
「免疫力が低下した」「免疫力を高める成分・・・」など、頻出のキーワードですが、そもそも免疫のしくみってどうなっているのでしょう。

◆目次◆

1.免疫

2.抗原

2-1.抗原とは

2-2.微生物

3.感染

4.免疫のしくみ

4-1.自然免疫による防御

4-2.獲得免疫による防御

5.細胞傷害性T細胞とNK細胞

6.腸内細菌と免疫

7.自己免疫疾患

8.まとめ

1.免疫

免疫とは、私たちの体を外敵から守る機能です。本来、備わっている自然免疫と後天的に備わる獲得免疫とがあります。
一方、アレルギーとは、外敵に対する免疫反応が結果的に自分に不利益をおよぼすことをいいます。

2.抗原

2-1.抗原とは

抗原とは、人体に侵入して免疫反応を引き起こす異物の総称です。
細菌やウイルスなどの微生物、ある種のタンパク質や多糖類、毒素などがあります。
血液型が異なる血液や、他人の臓器も抗原となり、それらが体内に入ると激しい免疫反応が起こります。
ダニや花粉、小麦などアレルギーを引き起こす抗原はアレルゲンと呼ばれます。

2-2.微生物

抗原の一つ、微生物は私たちのまわりに無数います。主な微生物は細菌、ウイルス、カビ(真菌)などで、このうち感染して病気を引き起こす微生物を病原体といいます。
細菌(1~5ミクロン)
細胞分裂によって増殖します。病原体となるものには大腸菌、結核菌、サルモネラ菌などがあります。
ウイルス(0.02~0.1ミクロン)
自力で増殖することはできませんが、病原体となるものにはインフルエンザウイルス、ノロウイルス、肝炎ウイルスなどがあります。
カビ(真菌)(数ミクロンから数十ミクロン)
カビやキノコ、酵母などで、病原体となるものには白癬菌、カンジダなどがあります。

3.感染


感染とは、病原体が体のどこかで増殖した状態をいい、その結果、起きる病気を感染症といいます。
細菌は、自力増殖できるので付着・侵入した場所で細胞分裂によって増殖します。
ウイルスは、細胞の中に入りこみ、その細胞がタンパク質をつくるしくみを利用して自分のコピーをつくります。新しいウイルスは細胞を壊して飛び出し、また次の細胞に入りこみ増殖します。
病原体が侵入する経路を感染経路といい、食べものなどを介して口から入る経口感染、接触感染、飛沫感染(空気感染)、輸血や注射針などでうつる血液感染などがあります。

4.免疫のしくみ

4-1.自然免疫による防御

皮膚や粘膜は、外敵の侵入を物理的に防いでくれます。
ところが、皮膚の角質が傷ついたりすると、外敵が侵入して感染症やアレルギーを引き起こしたりします。
涙や汗や鼻水も外敵の侵入を防いでくれます。
これらに含まれるリゾチームという酵素は、ある種の細菌を排除するはたらきがあります。
消化器官などを覆う粘膜も外敵の侵入を防いでくれます。
消化液は、食べ物などと一緒に入ってくる細菌やウイルスを殺してくれます。特に強酸性の胃液は強力です。
しかし、ピロリ菌やノロウイルスなどは胃液でも死に難く、例えばピロリ菌は、アルカリ性の物質を放出して胃液の中でも生き続けます。
皮膚や粘膜が傷ついて外敵が侵入すると、白血球の仲間、マクロファージや樹状細胞が外敵を食べます。さらに同じく白血球の仲間、好中球も参加して外敵を食べます。

4-2.獲得免疫による防御

獲得免疫とは、外敵との戦いで得た情報を記憶して、次に効率的に外敵を排除するしくみです。
子供のころ、水ぼうそうにかかった人が発症しないのは獲得免疫によるためです。
樹状細胞は、外敵を食べたあと、そのかけらを白血球の仲間・T細胞に提示します。
この段階のT細胞はまだ活性化しておらずナイーブT細胞と呼ばれます。
抗原を提示されたナイーブT細胞のうち抗原を認識できるものが活性化してヘルパーT細胞になり増殖して外敵と戦います。
また、白血球の仲間・B細胞は抗体をつくります。
B細胞とヘルパーT細胞はお互いに活性化しあって外敵を攻撃します。
B細胞の一部は、メモリーB細胞となって免疫の記憶を残します。ヘルパーT細胞の一部も同様です。感染を経験しながらメモリーB細胞を得ることが獲得免疫のしくみです。

5.細胞傷害性T細胞とNK細胞

ここまでのシステムでは、細胞に入ってしまった外敵を撃退できません。
白血球の仲間・細胞傷害性T細胞は、細胞内の外敵が外に漏れないよう細胞を死に誘導します。
白血球の仲間・NK細胞は、外敵に入られた細胞を殺したり、初期のガン細胞を殺すと考えられています。

6.腸内細菌と免疫


腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌ともにヘルパーT細胞やB細胞の活性化など免疫に重要な役割を果たしていると考えられています。
食べ物を外敵と見なさないことを経口免疫寛容といい、抗生物質などで腸内細菌をなくしてしまうと、経口免疫寛容がはたらかなくなることも知られています。

7.自己免疫疾患

免疫は本来、自分自身を攻撃することありません。これを自己寛容といいます。
ところが、一部のT細胞(自己反応性T細胞)は自分自身を攻撃してしまいます。
これらは胸腺での選抜で排除されますが一部が残ってしまい、制御性T細胞がこれらを抑え込み自己寛容のしくみが維持されます。
ところがこの自己寛容のしくみが崩れると自分自身の細胞が攻撃され、関節リウマチ、筋無力症、I型糖尿病など自己免疫疾患になってしまいます。

8.まとめ


免疫は私たちを守ってくれるとても複雑なシステムでした。
私たちにできることは何でしょう。
システムがうまく機能するように、生活習慣を整えたり、良い食事で腸内環境を整えることだと思いました。

<参考資料>
運動・からだ図鑑 免疫学の基本 松本健治(監修)マイナビ出版 2018
はたらく細胞 清水茜 ㈱講談社シリウスKC

<参考ブログ>
お肌のことをおさらいしよう!美しいお肌を手に入れるには?
食べ物の旅。体のしくみを知ろう!
腸内フローラ改善の新常識、腸の働きとバイオジェニクスを中心に。