腸内フローラ改善の新常識、腸の働きとバイオジェニクスを中心に。

バイオ01
腸内フローラ改善が美容や健康にとても大切、と言うことはご存知な方も多いと思います。
バイオジェニクスとは、腸内フローラ改善に効果があるとされる新しい考え方で、乳酸菌の成分や分泌物(死菌を含む)が、腸内フローラに直接届かなくても、その改善に良い影響を与えるとする考え方です。
本稿では、腸の働きとバイオジェニクスなどの考え方を通じて、腸内フローラ改善のためのヒントを提供したいと考えています。
なお、腸内フローラ、善玉菌、悪玉菌については「やせ菌でらくらくダイエット!」でも解説していますので参考にして下さい。

◆目次◆

1.腸の働き

1-1 小腸の働き

1-2 大腸の働き

1-3 腸内フローラでの発酵と腐敗

2.バイオジェニクスを知るために

2-1 プロバイオテクス

2-2 プレバイオテクス

2-3 バイオジェニクス

3.まとめ


1.腸の働き

腸内フローラの改善を知るうえで、腸の働きを理解することは大切です。
腸は、消化や吸収を担う小腸と、排泄を担う大腸に大きく分かれています。

1-1 小腸の働き

バイオ2
小腸は、胃で消化された栄養素を、更に分解して吸収します。また、栄養素と一緒に入り込んできた病原菌など異物の侵入を防ぎます。異物の侵入を防ぐのは免疫細胞と呼ばれる白血球の仲間で、小腸には体内の約60%の白血球が集まっています。
乳酸菌も小腸で吸収され、その成分が免疫の活性化をうながしていて、これは後述するバイオジェニクスを理解する上でとても大切です。

1-2 大腸の働き

大腸は主に排泄を担っています。
大腸には、腸内フローラがあり、腸内フローラには100兆個ほどの多種多様な細菌が生息しています。
腸内フローラに生息する細菌は、小腸で消化・吸収されなかった食べかすを分解し、やがて排泄していきます。細菌が食べかすを分解する過程は、「発酵」と「腐敗」に分かれます。

1-3 腸内フローラでの発酵と腐敗

腸内フローラで、発酵は食べかすに含まれる糖類が分解されることによって起こり、主に乳酸菌がこれを担っています。乳酸菌は、善玉菌(ヤセ菌)とも呼ばれ、糖類を発酵させ乳酸を生成し、腸内フローラを酸性にかたむけます(注1)。
腸内フローラが酸性にかたむくと、悪玉菌の増殖が抑制され、腸内フローラは改善します。

一方、腐敗は、食べかすに含まれるたんぱく質が分解されることで起こります。腐敗をおこす代表的な菌は大腸菌やウェルシュ菌などで悪玉菌(デブ菌)とも呼ばれています。腐敗にともない有害物質が発生して、腸内フローラは悪化し、便秘や下痢になったり、便がくさくなったり、有害物質が血液を通じて運ばれ肌荒れの原因となったりします。

(注1)酸性、アルカリ性の度合いは、PH(水素イオン指数)という指数で表されます。PH7が中性、それより大きければアルカリ性、PH7未満が酸性となります。

善玉菌は糖類、悪玉菌はたんぱく質と、その好物となる栄養素(食べかす)が異なり、それにより「発酵」か「腐敗」が起こることがわかりました。それでは、善玉菌優位になるため、糖だけを取れば良いのでしょうか。
糖の過剰摂取は血糖値が上がるなどリスクもあります。また、悪玉菌の好物であるたんぱく質は体を作る大切な栄養素でもあります。

「痩せ菌、デブ菌を制するとダイエットが楽になる?」でも解説したとおり、腸内フローラのバランスがとれていることが大切で、理想的な腸内フローラのバランスは善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われています。バランスの良い食事を心がけることがまず大切です。

2.バイオジェニクスを知るために

それでは、バイオジェニクスを見て行きます。バイオジェニクスを理解する上で、プロバイオテクス、プレバイオテクスについて理解することはとても大切です。

バイオ3

2-1 プロバイオテクス

プロバイオテクスとは、生きた乳酸菌やぬか漬け、味噌、キムチ、納豆などの発酵食品などを摂取することにより、腸内フローラの改善をうながす考え方です。
ヨーグルトを食べる、生きた乳酸菌サプリメントを摂取するなど、腸内フローラの改善に良いとされる菌を含む食品を積極的に摂取することにより、腸内フローラ改善をうながす考え方です。

近年、体外から摂取した菌は体内で定着・発育しにくいと考えられるようになってきましたが、食生活と密接に関わりあう大切な考え方でもあります。
ポイントはたくさんの菌を摂取することです。理想的な腸内フローラには、善玉菌が約20兆個も生息しているので、それに良い影響を与えるためには、大量の乳酸菌を摂取する必要があります。

2-2 プレバイオテクス

プレバイオテクスとは、腸内フローラの善玉菌のエサとなる食品を摂取することによって、善玉菌の増殖をうながす考え方で、食物繊維やオリゴ糖がこれにあたります。これらの食品は、小腸で吸収されにくく、腸内フローラで善玉菌の良いエサとなります。例えば、オリゴ糖は胃や小腸を通過して約90%が腸内フローラに届きます。

近年、プレバイオテクスは、プロバイオテクスよりも、善玉菌の増殖をうながす効果が高いとされ、その効果は10倍以上とも言われています。
オリゴ糖は、リンゴやバナナなどの果物、玉ねぎやキャベツなどの野菜に含まれていて、食物繊維と同時に摂取することができます。

2-3 バイオジェニクス

バイオジェニクスとは、死菌を含む乳酸菌の成分や分泌物が(小腸で吸収され)腸の免疫活性化をうながし、間接的に腸内フローラにも良い影響を与える考え方で、腸内フローラに直接働きかけないでも、腸内フローラの改善に良い影響を与える食品や成分を摂取することを言います。
乳酸菌の死菌や乳酸菌から抽出されたエキス、そのほか生理活性ペプチド、植物性ポリフェノール、カロチノイド、DHAなどを摂取することがこれにあたります。

乳酸菌はむしろ死菌の方が良いとされています。これは、1-1「小腸のはたらき」で記述したように、乳酸菌の働きは、菌そのものよりもその成分が、小腸で吸収され免疫を活性化することによって発揮され、腸内フローラ改善にも良い影響を与えるためです。まさにバイオジェニクスですね。
また、理想的な腸内フローラには約20兆個の善玉菌が生息していますので、良い影響を与えるためには、大量の「乳酸菌の成分」を摂ってインパクトを与える必要があります。
乳酸菌の死菌やその抽出エキスは、より大量の乳酸菌の成分が含まれていることが多いため、生きた乳酸菌よりも効果が高いと考えられています。

3.まとめ

腸内フローラ改善のためには、まずはバランスの良い食事を心がけること、ヨーグルトや発酵食品など乳酸菌を多く含む食品を摂取すること、オリゴ糖や食物繊維など乳酸菌のエサとなる食品を摂取することが大切です。乳酸菌の成分やそのエキスを含むサプリメントの利用も効果的と考えます。

腸内フローラは人それぞれ異なり、日々変化しています。腸内フローラ改善のため、何よりも大切なことは、自分にあった方法をじっくりと見つけること、それを継続していくことだと思います。

閑話休題、本稿を書いていて「インナースペース」というSFコメディー映画を思い出しました。とても楽しい映画でロッド・スチュワートが歌う主題歌も良かった記憶があります。
インナースペース=体の中の宇宙、腸内フローラひとつとっても人体はとても複雑、正にそのとおりと思いました。