
健康なヒトの場合、エネルギーとして使い切れなかった糖質はグリコーゲンや中性脂肪に変換されて体内に蓄えられます。
これは、氷河期などに身についた飢餓に備えるための自然な仕組みです。
このため、ヒトは「何らかの事情」で食事が摂れなくても、水さえあれば1ヶ月近く生き延びることができます。
現代では「何らかの事情」が起こる事は考えにくいので、エネルギーとして使い切れなかった糖質をどうするかが問題です。
◆目次◆
1.太るメカニズム
2.グリコーゲンや中性脂肪がエネルギーに変換される順番
3.エネルギーの貯蔵量について
4.糖質を少し減らす、食べものを選ぶ
5.まとめ
1.太るメカニズム

太るメカ二ズムをみていきましょう。
食べものとして摂った糖質や炭水化物は、ブトウ糖や果糖に分解・吸収されて血液中に放出されます。
糖質を摂ると血液中のブドウ糖が増えますので、これを適正な水準に保つため膵臓からインシュリンが放出されます。
インシュリンは、余ったブドウ糖をグリコーゲンに変換して、グリコーゲンは肝臓や筋肉に取り込まれます。
ところがグリコーゲンとして取り込まれる量には限界があるため、さらに余ったブドウ糖は中性脂肪に変換されて脂肪細胞に取り込まれます。
インシュリンは、血糖値の上昇を和らげてくれる大切な物質ですが、こうした働きから「肥満ホルモン」とも呼ばれているそうです。
別の視点から見てみましょう。
インシュリンは、血液中のブドウ糖が増えるとこれを下げようとして分泌されますが、糖質を過度に摂る状態が続くと、摂ってもいないのに分泌されるようになってしまいます。
当然、血糖値が下がるわけですから、さらに糖質が欲しくなって太る原因となってしまいます。
このようなインシュリンの機能低下や不足などが糖尿病の原因となり得ますので注意が必要です。
2.グリコーゲンや中性脂肪がエネルギーに変換される順番
グリコーゲンや中性脂肪がエネルギーに変換される順番をみていきましょう。
充分な食事を摂らないでエネルギーが不足すると、つまり血液中のブドウ糖が不足すると、まず肝臓や筋肉に蓄えられていたグリコーゲンがエネルギーとなります。
グリコーゲンを使い切ると、ようやく脂肪細胞に取り込まれた中性脂肪がエネルギーとして使われます。
このように、中性脂肪がエネルギーに変換されるのはグリコーゲンよりも後になります。
3.エネルギーの貯蔵量について

体重が70キロの健康な男性の場合、
肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンは約190グラムです。
グリコーゲンは1グラム当たり約4キロカロリーなので、約760キロカロリーのエネルギーがグリコーゲンとして蓄えられています。
一方、脂肪細胞などに蓄えられている中性脂肪は約1,500グラムです。
脂肪は1グラム当たり9キロカロリーとグリコーゲンよりも高いので、約135,000キロカロリーのエネルギーが中性脂肪として蓄えられていることになります。
同じ人の1日当りエネルギー必要量は、
「基礎代謝基準値=22.3」☓「体重70キロ」☓「身体活動レベル1.5」で、約2,341キロカロリーと推計されます。
貯蔵されている中性脂肪のエネルギー量は、1日当りエネルギー必要量の約57倍です。
因みに、同じ人がきつめのランニングを30分間したときの消費カロリーは、
1.05☓「10METS」☓「0.5時間」☓「体重70」で、約350キロカロリーとなります。
適度な運動は大切です。
しかし、毎日30分のきつめのランニングをするのは、体力的にも時間的にも厳しい人もいると思いますし、消費カロリーもそれほどではありません。
4.糖質を少し減らす、食べものを選ぶ

糖質は重要な栄養素ですが、日常生活でその不足を心配する必要は全くありません。
むしろ摂り過ぎに注意する必要があるでしょう。
過度な糖質制限はお奨めできませんが、意識して少し減らたり、食べものを選ぶ工夫をすると良いでしょう。
以下は、糖質として選ぶと望ましい順です。最後の二つは選ばない方が良いと思います。
・玄米や全粒粉パン、いも類など
消化・吸収を経てゆっくり糖質に変化する上にミネラルが豊富です。摂り過ぎには注意しましょう。
・ごはん、うどん、パンなど
消化・吸収を経てゆっくり糖質に変換します。主食ですので摂り過ぎに注意が必要です。
・果物
ビタミン、ミネラルが豊富なものが多いですが、糖分が高くなるよう改良されているものもあって摂り過ぎに注意が必要です。
・砂糖入りのお菓子
・清涼飲料水、ジュース
5.まとめ

因みに脂質は、食べ過ぎても排泄されて意外と体内には蓄積されないそうです。
主に糖質が消化・吸収過程で中性脂肪に変換され体内に蓄積されます。
部活をしていた頃「アスリート成功の秘訣は食事が70%」とよく言われました。
健康の秘訣は、その時々の生活習慣に応じて、「できるだけ正しい食べものを選ぶ」こと、どのようなものも「食べ過ぎない」ことではないでしょうか。
<参考資料>
医者が教える食事術 最強の教科書 牧田善二 ダイヤモンド社 2017年
最新医学で証明された最高の食事術 日比野佐和子 講談社ビーシー 2018年
<参考ブログ>
1日240kcalダイエット。ダイエットの基本をおさらいしよう!
